相変わらず怖くはない話ではあるのですが、これはわたしが体験した話になります。これで体験した話は全部です。




 当時、父の癌が見つかり手術したもののはかばかしくなく、大阪の専門病院に入院する父に母は付き添い、我が家には当時健在だった祖母とわたしが留守番をしておりました。


 治ると思いつつも、不安は募ります。結局それが現実となるのですが当時は知る由もなく過ごしていました。


 冬のことだったと思います。

 当時我が家の斜め前にお昼が来るとお豆腐屋さんのライトバンがやってきてCMソングを流しながら営業をしていました。

 集客のための音楽ですから当然明るい音楽です。

 ある日、それがぷつんと止んだと思ったら突然大音量の般若心経が聞こえてきました。

 え? です。

 かなり長く聞こえていました。

 それは聞こえたときと同じく、突然止みました。

 居間に下りて祖母に聞きましたが、「何それ? そんなん聞こえんで」と返ってきました。


 当然、不安は募ります。


 その夜だったかもしれません。


 夜ベッドに横になり、父が良くなりますように。そう強く念じていました。

 お願い。

 その時、後ろから、

「それはない」

と、一言だけが聞こえたのです。


 そうして、それは現実になりました。



 後にも先にも、後ろの声っていうのは鹿児島で通り抜けて行った声以外にはこれ一回だけなのですが、これって、背後霊なんでしょうかねぇ。

 本当にいるの?

 謎なままですが。



 ともあれ、わたしが体験した霊かな? っていう話は以上ですけれどね。個人的に痛めている所と霊的なものは波長が合うのかな? って思うのは、子どものころ中耳炎をやりまして、未だに器具を刺して膿を抜いた複数の痕が鼓膜に開いているからなんですけどね。まぁあくまで個人的な考えですけれどね。

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る