弾力のある空気





 これまで4回ほど弾力のある空気に遭遇したことがあります。

 2回は国道をドライブ中、2回はお店のレストルームで。


 弾力なんですよ。

 塗り壁ではない。

 向かい風があったわけでもないんですよね。静止状態の空気………ちょっと変な日本語ですが。

 なんと表現すればいいのかなぁ。


 ともあれ。1回目の状況としましては、仕事帰りの国道で、いきなり1メートルほど空気が変質した感じ、押される感じがしました。車が風に煽られたのではなく、そこからいきなり車の中の空気が変わってしまった感じです。硬いというか弾力があるというか。寒天よりもゼリー状かなぁ。でも、プルルンではない。

 その時は別にあれ? って感じだったのですが。


 2回目の国道での遭遇はちょっと危なかったですね。家族を乗せてドライブ中、いきなり押されたんですよ。普通に運転してたのですが、上半身がだんだんと押されて倒れていく感じ。え? ってなもんです。背もたれに背中がついてますがそれがだんだんとキツく押されて、しまいには体がずれて下がって行く感じだったんですよね。頭の上とかに重い空気がのしかかって広がって上から押し込まれて行くみたいな。しかも上体の前とかにも重く弾力のある空気の層があるんですよね。透明ですが。ハンドルは離しませんでした。足もペダルから離しません。離したほうが良かったのかもしれませんが。踏み込んではいなかったのでセーフなんですけどね。

 数メートルかなぁ。

 これやばいと思いつつ焦りながら進むとスポンって感じで抜けました。普通の空気に戻りましたよ。

 そこだけ気圧が違う感じと言えばいいのかなぁ? それも違う気がしますが。

 場所的には、ちょうど選挙で負けた候補者の選挙事務所の前でしたね。ふむ。マイナスの空気ってやつかなぁってぼんやり考えたことを覚えてます。

 それにしても七生がそうやって焦ってたのに、後部座席の母と祖母は全く異変に気付いてさえくれていないという。

 一体なんだったのだ?


 で、残る2回は、たまに行くことのあるマーケットのレストルームともう移転しちゃったけど某所のTSUTAYAさんのレストルーム。

 扉を開けて一歩踏み込んだ途端、ボワんって空気が抵抗するんです。まるでレストルームがゴム風船か何かでその中に空気が目一杯詰め込まれてる感じです。で、異物である七生が踏み込んだので押し返される。そんな感じでしたね。

 でも、他にレストルームなんてないので使用しましたけど、気持ち悪かったですよ。

 マーケットの方のレストルームはもう2度と使うまいと決意してます。まだそこにありますけどね。


 一体あれはなんだったんだろうって、いまだに謎の現象です。


 

 

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