1-3

 小学校の入学式の日。私は仲好しの

有馬香菜ありまかなちゃんと一緒のクラスだとわかった。


「香菜ちゃん 良かったね ウチ等、おんなじクラスだね また 遊べるね」


「ウン 真珠ちゃんが居てくれて、あんしんだよー」


 次の日、教室に入っていくと、出席簿順に席が決まっていて、私は、前から二番目の席だった。そして、その後、隣にやってきたのは、御読昂だった。


「あっ 昂君 同じクラス」と、思わず言ったのだが、私、少し、嬉しかって「また 一緒だね」と、続けたのだが


「うん でも 泣き虫はごめんだぜ」と、言い返して、ランドセルを置いて廊下に出て行ってしまった。


「なんだよー あいつ クソー」と、面白くなかった。その時、右隣りの女の子が話しかけてきて


「私  鹿島蘭かじまらんて言うんだ よろしくね」


「あー ウチ・・私は 織本真珠 よろしくね」


 手足が長くて、可愛らしいって感じの子だった。唇もなんか塗っているのか、ツヤツヤしていて、いい匂いがするんだ。後で、わかったんだけど、地元の建設会社の社長の娘で、お金持ちで大きな家に住んでいるっていうことだった。


 私は、香菜ちゃんと、その席の後ろの榎川かすみちゃんと、そして、かすみちゃんと仲の良い 吉川涼よしかわすずみちゃんとお昼休みなんか、集まっていることが多くなっていた。


「鹿島さんって しきりに、御読君に話しかけているね 大丈夫? 真珠ちゃん」と、香菜ちゃんが聞いてきた。


「大丈夫って? ウチ 関係ないもん」


「鹿島さんってねー 男の子にチャホヤされたいみたいなんよ でも、塾に通っているから、もう、2年生の算数やってるし、英語も勉強してるんだって」と、かすみちゃんが言って居た。


 確かに、今も、昂君に楽しそうに話掛けている。


『ほっておいていいのかなぁー』と、又、心の中で声がしてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る