第4話 話し合い


「さて、話し合い始めよっか」


 男は高笑いしながら馬鹿にした笑顔で僕を見る。


「本気で言ってんのか? ボコボコにするに決まってんだろ……まぁ、土下座してここから去るってんなら見逃してやっても良いぞ?」


 おぉ、それは一番良い解決方法だ。


「じゃあ店に戻って会計して出ていくのでそれで……」

「じゃあ金だけ置いて行きな……女は俺たちで預かる」

「預かるって……」

「決まってんだろ、遊ぶんだよ……二人とも相当の上玉だしな……」


 初めから彼女達が目当てだったという訳か……。


「えっと、勘弁……」

 

 風魔法風刃が僕の頬を掠める。

 近くに仲間でもいるのだろう。


「なんか言ったか?」

「卑怯だな、お前……」

「卑怯?」

「うん、卑怯すぎてイラつく」


 やる事がカウンのように思えて少しイラつく。


「知るか、勝てば良いん……」

「そうか、勝てば良いのか」


 男の言葉を遮りそういうと相手は地面に伏す。


「出でこいよ……」


 数は……3か……。


 誰も出てこない……。


「はぁ……」


 魔法を込め、地面を踏む。

 しばらくして目の前に男達が現れる。


「テメェ、俺らにこんなことしてタダで済むと……」


 全くこの状況でそんなこと言えるなんて……。


「一応聞くけど、もう僕達に報復しないよね?」

「お前はもう終わりさ、俺達鮮血の蛇に喧嘩売ったんだからな!」

「へぇ、鮮血の蛇かぁ〜それは怖いね〜」


 瞬間、男達の悲鳴が響き渡る。

 拘束していた腕の鎖を圧縮する。


「じゃあ、君の上の人とお話ししたいんだけど場所、案内してくれる?」

「できるわけ……ぎゃあぁぁぁ!」


 次々鎖を増やし伸縮させ、男に続ける。


「してくれるよね?」

「あっそ……」


 助かったと思う男に首輪の鎖がはまる。


「ラストチャンス、どうする?」

「う、嘘なんだ……鮮血の蛇になんて所属してない……」

「本当?」


 そう言うと顔を真っ青にしてそう言う男に僕は笑顔を向ける。


「次は……わかってるね?」


 コクコクと必死に頷き、鎖の魔法を解除すると男は逃げ去った。












 





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