第14話 翌朝

「先輩、おはようございます!冒険者ギルドに行きましょう!」


「あ?急になんだよ。良いけどよ。」


「なんかお仕事の募集とかがあるかもしれないっすよ。」


「ああ、それもそうだな。どんな仕事があるのか調べなきゃだな」


「そうっす!刺身にタンポポ載せてお金を稼ぐバイトがあるかもしれないっすよ」


「いやせめてもうちょっと色々あって欲しいわ」


「モンスター退治とかもあるかもしれないっすね」


「そりゃあるかもな。でもやっぱリスクを冒さずに大金を得たいというか」


「先輩、贅沢が過ぎるっす」


「いやでも不労所得とか欲しいし……」


「たぶん当分は無理っす。諦めてください」


「そんな……神はなぜ俺たちにこんな試練を……」


「いやどんだけ働きたくないんすか先輩」


「働きたくねぇ……」


「いや働いてくださいって」


「働きたくねぇ……他人を奴隷のようにこき使って楽して生きていきてぇ……」


「なんでちょっと邪悪なんすか願望が」


「いや誰しもちょっとくらい思うだろ」


「うーん、そこまでっすかね。楽したいってのは確かにそうっすけど」


「真面目だなぁ。お前のそういう所きらいじゃないわ」


「ふふん、もっと褒めていいっすよ」


「よし、じゃあギルド行くか朝倉」


「なんでスルーするんすか先輩」


「面倒くさくて……」


「ひどいっす」


「さっさと刺身にタンポポ載せる仕事探しに行くぞ」


「先輩、ここに刺身は無いと思うんすよ」


「いやそうだろうけど、問題はそこじゃねーよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る