回転寿司(誘惑)
大型連休の回転寿司に行った。
ほんとうは行きたくなかったけれど、どうしても心と体が寿司を求めていたからしょうがない。しかも、つい先週行ったばかりのスシローのイカが思い浮かんでは消えてを繰り返すので仕方ない。スーパーのお寿司や宅配寿司では解決しない。
入店すると予想通りたくさんの家族。
入り口付近にはたくさんの人が自分たちの番が呼ばれるのを待っていた。それなのにカウンター、1人と予約していたわたしは、店に到着と同時に席に案内された。1店舗に数席あるカウンターはとても空いていた。
イヤホンをして音楽を流しながら、食べたかった寿司ネタを注文する。1人回転寿司は初めてではないのにどうもソワソワして落ち着かない。味は美味しいのに、それを共感する人がいない。そんな不満を押し殺す。寿司8皿にラーメンを食べながら、わたしは数年前のわたしに比べて随分幸せになっているのだな、と気づく。誰かと来た時の3倍ははやく食べ終わってしまったのもそのせいだろう。特にカウンター席は待ち人がいるわけではないが、いつもよりも食べていないはずなのに、いつもよりお腹がいっぱいなのが苦しくて逃げるように会計をして店を出る。入り口では何も悪いことはしていないけれど、人目を避けるように俯いていた。お忍びスシロー気分だった。
腹ごなしに何かの部品を落としてしまって詰まり気味な風呂の排水溝をなんとかできるグッズはないか、と百均を探索する。ちょうどいい道具があって、意気揚々と家に帰る。その足取りは軽かったのに、勢いのまま挑戦した部品キャッチはあと一歩のところで失敗した。より奥にいってしまっていないことを祈りながら、掴めそうで掴めないところがいつもの流れで少し苦しくなってしまう。ただ、今年のわたしは少し強くなった。落ち込んで終わっていたニート時代とは違う。きっと次はもっといい道具を見つけてなんとか詰まり解消をしてみせると誓ってシャワーを浴びる。
そんな今日の1曲。
GLAYで『誘惑』
寂しいとひとりもたのしいなをジェットコースターのように繰り返して過ごしています。
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