前職を辞める時、わたしの退職を惜しんで泣いてくれる人がいた。わざわざ会いにきてくれる人がいた。プレゼントまでくれる人がいた。その時にはじめて大切にしてもらえていたこと、ほんとうは辞めることに未練があることに気がついた。

新しい職に就いて仕事をしながら毎日思い出す。あの時、どうしていたら続けられていたか、と。そしていまここにいることは間違いだと、言うべきではない相手に愚痴をこぼしながら後悔を繰り返す。

辞めてから2年が経とうとするこの頃、ようやく退職の時にもらったプレゼントを使えるようになった。ハンドクリーム、ハンカチ、エコバッグ。どれを見ても、使っても、優しくしてくれた人たちが思い浮かぶ。今も元気にしているかな、と少し考えてみる。

人生で後悔は少ない方だと思うけれど、また会いたいなと思う人と自ら離れてしまったときのそれはどうしようもなくあとをひくということを知った。そしてまた失ってから、気づいてしまった。幸せだった、と。

そんな今日の1曲。

King Gnuで『逆夢』

最近は夢もみず、熟睡できていて嬉しい限りです。ただ、咳は止まりません。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい