白い髭(思い出がいっぱい)
父が遊びに来た。
2人きりで外にいるのはいつぶりだろうか。もしかすると小学校以来かもしれない。
いつも遅くても15分前行動をする父に合わせて少し早めに家を出る。が、私が到着した時には待ち合わせ場所ではなく、その近くの金物屋に父はいた。どうやら待ち合わせの目印にしていた店が改装工事をしていて不安になったらしい。長身の父が、小柄なお婆さんに対してその旨を尋ね、別れ際に同じ高さまで腰を折りありがとうと言っているところを見てしまった。なんだかいいような悪いような気分になった。
その日はどこに行くわけでもなく、ただ父はお届け物をしてくれた。それでも受け取ってすぐにさようならは悲しかったので、少し立ち話をした。話している間にふと目に入った、父の生え始めの髭が白かった。
時間が来たので、手を振り別れた。振り返ると父も同じタイミングで振り返って、少し笑っていた。
そんな今日の1曲。
H2Oで『思い出がいっぱい』
いつか一緒に旅行でもしたいものです。
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