突然、玄関に張り紙が貼られた。

『1週間、工事をするのでお部屋に入ります。部屋の荷物の配置を変えて、ご対応ください。』

ざっくり言うと、こういうことだそう。クローゼットの中も、キッチン下収納の中も全て出すよう求められている。

果たして、住人のうち何人が問題なく対応できているのだろうか。たったの1Kしかない部屋なのに。

少し調べてみた。法律上は問題ないのか、と。

しかし、調べたところで解決策とはならなかった。家を正常に保つための必要不可欠な工事である場合は、借主は貸主が部屋に入ることをどうやら拒むことが出来ないらしい。

それにしても1週間は長い。

たとえ1日でも、見知らぬ人が自分のいない時に部屋に入るだなんてことは許容し難いのに、許せる許せないの次元では、もはやない。

有給を取ったとて、対応できることではない。1週間も休んで工事に張り付いていたら、その間に自分が職を失う。

少し落ち着こう、とクッションの上に転がる。そして息を吐き、それにしても不思議だなあと思う。

去年の今頃なら、誰にも頼まれず家にずっといたのに、なぜ今なのだろう。タイミングというものを恨めしく思う。

粛々と受け止めるしかない、と勢いよく立ち上がって家具の配置を変え始める。

そんな今日の1曲。

浜崎あゆみで『Boys&Girls』

気分を上げていきます……！！！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい