トイレの神様(トイレの神様)

個室に入って、うげ、っと思うことは意外とよくあると思う。


どうして置いていったんだ、ほんと誰だよ、、、。といつもより過激な自分が顔を出し、隣の個室に移る。


するといつも思い出す。

記憶というものはすごい、ひとつの些細なきっかけでたくさんのことが蘇る。


昔流行ったトイレの神様という歌のこと。

なぜかトイレの神様にちなんだ、ストーブの神様や音楽室の神様と呼ばれていた昔のクラスメイトのこと。

トイレが絶望的に汚かった昔の恋人のこと。

その彼のトイレを一生懸命掃除していた自分のこと。


記憶は不思議だ。

当時あったはずの嫌な気持ちや、経緯は全て抜け落ちてその事実だけを残している。

きっと彼らとまた会って、この話をするとところどころ(ところどころどころか全体的に)噛み合わないことで盛り上がるのだろう。


そんなことを考えていたら、うっかり長居してしまった。狭い個室にはいるとついつい考え事をしてしまう。流して、確認して現実に戻る。


今日の1曲。

植村花菜で『トイレの神様』


帰ったら家のトイレを掃除しよう。

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