有馬記念(馬と鹿)

満を持して、この時がやってきた。

有馬記念。

1年に1回の祭典。


わたしはついに現地で出走を心待ちにすることができた。


満員電車のように広い場内に敷き詰められた万単位の客たち。わたしはその1人。手を叩き、背伸びをし、走る馬を見守る。


地面を揺らす馬の足音とともにウェーブをつくる歓声にのっかる。

2500m、わずか2分半ほどの間に数え切れないほどの思いが乗っている。


もはや勝ち負けを超えた何かが刺さった。

この空間にいれてよかった、紙切れとなった勝馬投票券を握り締めて考えたことはそれだけだった。


今年もいろいろなことがあった。

しかし、すべてを忘れ飛び跳ねたのは今日だけだった。


有馬記念。

走り去ったあとに残りわずかな2022年と新しくやってくる2023年がみえた。


そんな今日の1曲。

米津玄師で『馬と鹿』


ただ、一緒に行った友人が痴漢にあったことだけは許せないことです。

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