2022年7月

遠くの友達近所の知り合い(5 Rebbecca’s)

ドラマを見ていると必ず人間関係は近くに住む人々で起こる。物語のなかで引っ越してしまったら、途端に思い出のなかの人のようになる。


どんなに仲が良くても、困ったときや会いたいときにすぐに会えない人は少しずつ人生が逸れていく。


多くの人はきっとそれを小学校から中学校に上がるときに初めて経験する。でもまだ家が近いことで続く何かもあるのだろう。

学生時代はきっとそんなふうに続いていく。


でも社会人になると、変わってくる。


就職や転勤で住む場所も周りの環境も大きく変わる人、自分の力では制御できない人が増えていく。

仲のいい人とはSNS で繋がり続けるが、その繋がりはどんどん細い糸になっていく。そして近くにいる、同じ話題を共有できる近くの人と知らず知らずのうちに太く強固に結びついていく。


細くなっていく糸をどうしよう、こうしようとのたうちまわるような人は少ないのだろう。


でも私はどうしても、執着してしまう時は執着してしまう。どうしても離したくないと思う。でも、怖くて一定以上の距離に近づけない。繋がりを大切にしているのが自分だけだったと気がつくのが、怖いから。

どうしようもなく大切で、それと同じくらいどうしようもなく無くしたいと思ってしまう。


この矛盾した考えと、私はいつも戦っている。気がつくと、数週間に1回は同じ穴に落ちている。


自分のやりたいことがある場所と、会いたい人がいる場所が噛み合っていないのが原因なのだろう。


いっそのこと結婚してしまいたいが、面白いことに向こうにその気は少しもないし、現に私たちの関係に名前はない。

友達ですらないのかもしれないと感じる時もある。


ただ、そういうものなのだ。


私はいつも1人で穴の周りを出たり入ったり、うろうろしている。近所の知り合いの話を聞きながら。


今日の1曲。

THE View で『5 Rebbecca’s』


きっとわたしも近所の知り合いを見つければいいだけの話ですよね……





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