未必の故意に恋い焦がれ
【シチュエーション説明】
登場人物:大学二年生の女性
法学部在学、年下がタイプ、付き合ってきた男性は多い
前期テスト開始の一週間前、付き合いたい大学の男性に電話をする
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もしもし? いきなり電話してごめんね。
……そう、さっき刑法の講義で番号交換した……覚えててくれたんだ。うれしい~。
(「どうして連絡なんて……」戸惑ってる相手に)
あのさ、ほんと、ダメ元でお願いするんだけど……来週の試験ピンチなの!
ヤマでも何でもいいから教えてください!
(「講義、出られなかったの?」と聞かれて)
出席はちゃんとしてるんだけどさ、あの先生、書いたらすぐ消すじゃん。板書ぜんぜん間に合わなくて……。
でもキミは毎回ちゃんと書き写してるでしょ。だから頼んでみようと思ったんだ。
何で知ってるかって?
だって私、いつもキミのそばに座ってるから。
キャッ、言っちゃった。
ほら、かっこいい人の近くだとやる気でる、みたいな? キミは気づかなかったと思うけど。
集中してる横顔が素敵でさ、黒板よりそっちばっかり見ちゃうんだよね~。あはは。
(「そんなんだから、板書できないんじゃないの?」と言われて)
勉強する気はあるの! でも、ついていけないんだもん……。
(返答に困る相手に対して)
ごめん。急に電話してこんなお願い、困るよね。
実はこの単位落とすと進級ヤバくて……頼める友達もいないし……。
うち、お金ないから留年だけは絶対したくないの……。
でも人に頼っちゃダメだよね。
うん、自分で頑張ってみる。
もしまた会えたら、仲良くしてほしいな。
(「僕のノートで役に立つならいいよ」と言われて)
……えっ、ノートコピらせてくれんの!? うそ? いいの? 本当に!?
助かる~! ありがと~、だいすき~!
(「だ、大好きって……」と動揺する相手に)
照れないでよ。私にとっては、それくらいありがたいってことなんだから。
じゃあ……明日とか、どう?
……おっけ、四コマ目が終わったあと図書館の入り口ね。
よかったあ……って、まだテスト受けてもないけど。
でもキミのおかげで何とかなりそうだよ~。
そうだ、お礼に夜ご飯おごらせて。タダでコピるの悪いし。
(「いいよ別に。大したものじゃないから」と反応されて)
遠慮しないで。私、美味しいお店知ってるんだ。
雰囲気いいからゆっくり話せるし、次の日休みだから、遅くなっても気兼ねしないでしょ。
キミと一緒に行きたいな~。
……え、彼女いるの?
つき合いたてで、初めての彼女なんだ……。
ふーん……。
だいじょうぶ。ノートのお礼ってだけなんだから。私にそんなつもりないし。
女友達とご飯食べるなんて、みんなやってる普通のこと。
それとも、キミはそんなつもり……あるの?
あはは、冗談だって。うそうそ、ごめん。すねないで。
かわいいなあ。
問題ないよ。
彼女もキミのことが好きなら、ノートのお礼でご飯食べるだけの相手を疑ったりしないでしょ?
キミが彼女の立場だったら信じてあげないの? 好きな人のこと。
(それでも答えに迷っている相手に対して)
『疑わしきは罰せず』だよ。
それに私が彼女だったら、タダでノート渡すほうが疑っちゃうなあ。
対価があるから売買契約だけの関係なんだって思うし。
ただの友達ってハッキリするんだから、彼女も安心するって。
(戸惑いつつも納得した相手に向かって)
それじゃ決まりー! 明日、図書館で待ち合わせして、そのあとご飯ってことで。
すっごい楽しみにしてるから! おやすみ。
(通話を切ったあとで)
心配しすぎだなぁ。私から好きなんて言うわけないじゃん。
だけど……私にその気がなくても、向こうが惚れちゃったら……仕方ないよね。
【終】
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