輝き出す街に

夜明け前、変な時間に目が覚めて

冷蔵庫には何もなく

近くのコンビニに出掛ける


薄明に染まる東の空

どこか遠くで響く原付の音


信号は音もなく灯り

車も人影もない

ひとりきりの街


コンビニの前を通り過ぎて

川沿いの土手をのぼる


流れゆく水面

音も立てず静かに

流れてゆく時間


遠くに何本かの鉄塔が立ち並び

航空障害灯の赤い光が点滅している


あんな無機質な灯火にさえ

今の心は何か特別な意味を

求めようとしている

たとえそれが仮初めであっても


やがて空がオレンジ色に染まり出すと

そんな灯火はまるでなかったかのように

空の主役を奪われていき


朝日が昇り

新しい朝が訪れる


この朝に意味はあるのか

輝き出す街に


新しい朝が訪れる


きみの生まれた星に



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