心でささやくように

顔も知らない

あの月に手をかざしたところで

ぬくもりを感じることも

優しく触れることもできない

遠く離れた

そんなきみのことを想い


でも この空の下で

きっと繋がっているのだと

自分にそう言い聞かせて


せめて言葉で

きみを抱きしめられたならと

拙い言葉を連ねてみて


ぼくが言いたい

伝えたい

届けたい


そんな言葉を

いくら重ねてみたところで

それじゃまったく足らないよと

ようやく気づいた


きみの聞きたい

伝えてほしい

届けてほしい


そんな言葉でなければ

そんな言葉を搾り出してよと

無い知恵に相談してみる


きみの意識ではなく

心が 魂が

求める言葉ならなおさら良いねと


もし

ぼくが伝えたい言葉と

きみが待ってる言葉とが

重なったなら

響き合えたなら


それが偶然なんかじゃなくて

必然だなんて、そう思えたなら


奇跡なんかじゃなくて

きっと素敵なんだろうね


きみの耳元でささやけない言葉を

この風にのせて送るよ


今夜もまた


きみの心でささやくように


そっと心に


くちづけるように

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