いつかの風が吹いている
北風が吹いて
心に雪を降らせていく
でもいくら積もっても
孤独は覆い隠せなくて
誰の足跡も残らない
東風が吹いて
白い綿毛を運んでくる
でもコンクリートの街には
彼らの休む寝床もなくて
陽のあたる場所もない
西風が吹いて
黄砂が目に入った
でも涙がこぼれたのは
そのせいじゃない
けしてそのせいじゃないんだ
南風が吹いて
暖かな春の陽気を運んできた
アスファルトの上
いつかの種が芽を出して
光に手を伸ばしている
孤独な北風
未来の東風
悲しい西風
暖かな南風
3度目のワクチンを終えて
風を感じていた
風を思い出していた
風が吹いている
この街に
いつかの風が吹いている
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