マジックアワー

季節外れの暑さも

夕ぐれにはしずまって


風が涼しげに吹いている

空を踊るようにして


やがて西の空が薄明はくめいになる

マジックアワー


今日という一日が

終わろうとしている


今日もまた

きみのことばかり考えていた


この頃ずっと

考えているのは


きみのことばかり


今日もまた

言えなかった言葉が

夕日とともに消えようとしている


夕ぐれがそっと

それを包み込んで


静かに訪れる

ブルーモーメント


そしてまた

幾つもの星が空に顔を出すと


見えなかった言葉が

星空に映し出されていく


ぼくはきみを、と

言いかけ

星になった言葉が


この星空を

ラブレターにして


きみに届けられたらいいのにね


この星の唄が

ラブソングになって


きみに聴かせられたなら


いいのにね……



朝目が覚めると

西の空にはビーナスベルト


星になった言葉は


きみに届いただろうか


せめて夢の中で



今日という一日が

また始まろうとしている


空が魔法の色に染まる

マジックアワー



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