ジンパパ感想15-3-1 習志野さんは今日も『自分』探しの旅の途中

15-3-1 習志野さんは今日も『自分』探しの旅の途中

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 行動指針が人助けってわけではない、どちらかというと自分本位なんだけど、結果的に人助けになっている。そんなパターンのヒーロー、いますよね。

 この作品の習志野さんもそんなヒーローの一人とお見受けしました。あくまで彼が行っているのは「自分」を探して旅をすること。その自分探しの旅で訪れた先々で人と交わっていくけれど、その行動指針は、正義だとか人道支援だとか、そういうものではなくて。時に単に自分に降りかかる火の粉を払いのけただけだったりする。


 南望凪山なもやまかずらとの邂逅においても、それは変わらなくて。なにも彼を助けるために山の神を倒したわけではなく。しかし、彼が彼のルールで行動を起こした結果、かずらは自分を縛る村とのしがらみ(出生の地であり、虐げられて生きてきた過去を引きずる地であり、人々)から解放され、自由を手に入れる。


 その時、習志野さんは、余所者がいる前でさえ憚ることなく冷遇するのが「ダサい」と言い切り、そんな目に合わされているかずらに同情したと言っています。


 これが、彼の寄って立つ規範。垣間見えたヒーローとしての資質。その行動によって救われる者も、また命を落とす者もいる。まるで祟り神のようです。


 書き出し1話目で救うことになったかずらは、2話以降のサブキャラとは立ち位置が異なり、これから習志野さんと一緒に旅を続け、ストリーテラーとして、また、習志野さんにレーゾンデートルを示すガイドとして、バディを組んでいくことになるのでしょう。


 二人のどこか噛み合わない会話が面白かったです。感想依頼、ありがとうございました。



 

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