第32話 誘導弾(ミサイル)撃ちたい
会議の結果、女神クエスト「妖異ミ=ゴの基地を破壊せよ」と「妖異ミ=ゴの狩猟」を受注することに決まった。
山形砲雷長が「やった!
クエストの詳細をフワーデに確認したところ、妖異のいる場所がマルラナ山脈であることが判明した。そこは正に私たち内陸調査隊が調べようとしていた場所であった。
前にヴィルフォアッシュから『マルラナ山頂に古代の神殿がある』という話は聞いていたが――
「もしかするとマルラナ山の神殿というのがミ=ゴとやらの基地なのかもしれんな」
「そこを
「山形はちょっと黙ろうか」
山形砲雷科長がまたフワーデと踊り始めたので止めさせる。
「フワーデ、南大尉に連絡して街にいる全員を起こしてくれ。白狼族の二人の意見を聞きたい」
「わかったー!」
数分後、ビデオ会議が始まった。白狼族の二人もスマホを使っての参加だった。
~ ビデオ会議 ~
「南大尉、ヴィルフォアッシュの少女漫画風つぶらな瞳エフェクトを外してやってくれ。気になって仕方がない」
士官室のモニタには上陸組全員の映像が分割されて表示されている。
「あっ、ヴィルミカーラのネコ顔エフェクトはカワイイからそのままでいいぞ。ちょっとウィンクしてみてくれ」
「わ、わかった……」
ヴィルミカーラが不器用な感じでウィンクすると、映像内のヴィルミカーラの閉じた瞳からキラキラと星が飛び散り、同時に「にゃぁ~ん」という猫の鳴き声が流れる。
「「「萌えぇぇぇ!」」」
私を始め男性陣がそのあまりの可愛さに萌え死んだ。
「艦長、会議を進めてください」
平野副長が冷たい視線を呆ける私や男性陣に向ける。
「そ、そうだな……」
私は平野副長の発する圧に押されて本題に戻った。ここまでの会議内容を上陸組に説明し、彼らの意見を聞く。
「マルラナ山脈ついては、ギルドと酒場で話を聞いてきました」
ヴィルフォアッシュがそう言うと、次の瞬間モニタから彼の映像が消える。しばらくすると南大尉のスマホがヴィルフォアッシュの映像を映し出した。
「これを聞いてくれ」
そう言ってヴィルフォアッシュはスマホを操作して音声を再生する。音声からは雑音が交じる中、彼が誰かと会話している様子が聞き取れた。
『……あっ? あぁ、確かにマルラナ山脈に古代神殿はあるらしいぜ。何年か前にガキが麓の村の冒険者を雇って神殿に向った連中が二度と戻ってこなかったとか』
『その冒険者の記録はあるか?』
これはヴィルフォアッシュがギルドで誰かと話をしている録音のようだった。
『んー、どうだろうな。そのガキがギルドを通して紹介されてりゃ残ってるだろうが……金貨!? こ、この金貨貰っていいのか……わ、わかった。ちょっと待っててくれ調べてみる』
『頼む』
そこで音声が一度切れ、ヴィルフォアッシュがスマホを画面に向ける。
「この時、ギルドで見せて貰った冒険者の情報です。二人いたようです」
士官室のモニタに羊皮紙に記載された名簿らしきものが表示される。内容を読むことはできないが、なんとなく名前が二つ並んでいるのが文字の配置から推測できた。
「つ、次、わ、わたし……」
今度はヴィルミカーラがスマホで撮影した動画を流し始めた。
『えっ? カーラちゃんって魔術師なの? すごい!』
動画内には、ヴィルミカーラと青髪碧眼の若い女冒険者が映っていた。
『ほんと? この板に私の姿が記録されるの?』
『そ、そうだよ。ま、魔力をと、とったりしないから、あ、安心して大丈夫。じゃ、じゃあは、話して……』
『うん! おーい! 父さん! 母さん! イザラス村のみんな元気ですかー! わたしは元気にやってるよー!』
女冒険者がカメラに向かって手を振る様子が映し出される。
『えっとねー! この魔術師のヴィルミカーラちゃんは私の大親友なんだよ! 今日であったばかりだけど食事おごってもらったり、すっごくお世話になったんだよー』
映像の女冒険者はかなり飲んでいるようだった。
『でねー。このカーラちゃんが仲間と一緒にイザラス村に行くっていうから、みんなよろしくー! 山にいるホドリスとミカエラに会ってみたいらしいから、それも手伝ったげてー!』
ここでヴィルフォアッシュがこの会話についての補足を入れる。
「このホドリスとミカエラがマルラナ山脈に行ったことのある冒険者です」
『お土産も持って行ってもらうから! 港湾名物の干しクラーケンもいっぱい持たせるから、みんなで食べてね!』
最後に女冒険者とヴィルミカーラのツーショット映像で動画は終了した。
「この短期間でマルラナ山脈に関する情報をここまで集めていたなんて……二人とも凄いな」
私が褒めると二人は照れつつも、その表情には少々ドヤっが混ざっていた。それにしても、この短期間でここまでスマホを使いこなすとは白狼族恐るべし。
「艦長、こうなったらもう
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