真実2
佐倉彩香の場合
彩香は比較的裕福な家の出だ。
だが彩香の父親と兄に問題があった。
彩香の父親はいわゆる[ぼんぼん二世]である。なので性格は
短気で怒るとすぐ何かにあたってしまう。あたるものが椅子や机ならまだしも
彩香の父親は彩香に暴力をふるうようになった。一時期は白かった肌が
痣だらけになり、さらさらとした綺麗な黒髪は白髪に変化した。
彩香の兄は父親と同じように短気で暴力ですぐにものごとを解決するような
クズである。
容姿がよかったため数多くの女性にちやほやされてきた。しかし今まで付き合った
人たちは彩香よりもレベルいや次元が低かった。なのでいつも彩香の容姿を見慣れている兄はとうとうそこらへんにいる美女では満足できなくなった。
そ、し、て、クズ兄は実の妹である彩香に手を出してしまった。そのときの彩香の
齢は13歳。
彩香は父親からの暴力と兄に襲われそうになった恐怖から男性恐怖症に
なってしまった。それ以降、彩香の目つきは鋭くなった、
顔では笑っていても目が笑っていない、どことなく冷めた表情をする、
洞察力に優れ空気を読んだりし始めた。
―二学期初日の翌日―
僕は今日の昼休み、生徒会室に呼び出された。
〈生徒会〉
生徒会長佐倉彩香を中心とする組織である。
初めの方の説明で彩香は先生いやこの学校の
一番の権力者と言ってもいい。これは
彩香の男性への防衛対策として言っても過言ではない。
一年生ながら副会長に成った凛もおり、
学校で一番男子が嫌いなツートップが二人
いるためもちろん生徒会に男子は存在しない。
また今年の生徒会幹部たちの親が有名であったりして、例年よりもますます先生たちが口出しする事ができなくなった。
まさに男子と先生にとっては独裁政権下にいるような感覚である。なんとも理不尽な組織である。
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そんな地獄以上に行きたくない場所に呼び出されたということは......
要件はたぶん昨日のことだろうと
僕は推測した。結果は.....全然違った。
今頃だけど僕は図書委員の副委員長を
やっている。たまたま今日委員長が休みで
業務連絡を僕にしたらしい。って生徒会長の彩香に言われた。ただそれだけだった。
でも実は副委員長は二席ある。もう一人は
女子のためそっちに頼めばよかったのにと
言おうとしたが嫌な予感がしたから必死に
言うのを抑えた。
「なんだ緊張しすぎて少し中二病モードが出そうになったじゃないか。
でもなんでだろういつもは刺々している
今日は穏やかな口調だったな~。
まああれのこと聞かれなかったからいいか。」
しかしこの時の僕はもう呼び出しを
食らうことはないと安心しきっていた。
本当の地獄はだいたい次に起こる。
『いつも僕は思うよ現実ってそんなに甘く
ないね。』
授業後、姫と魔女が図書室に入ってきた。
〈図書室の説明〉
基本的に学校で授業がある時は20:00まで
開いている。でもほとんどの生徒は
部活であまりこない。例外でテスト週間の時だけである人が多いのは。
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そして今はテスト週間でも何でもない。
また最悪なことに図書室にいるのは僕だけ。
さっきまで司書さんがいたがどこかに行ってしまった。余談で僕は司書さんのことが気に入ってる。なぜならとても美人さんである。しかしそれだけじゃない
漫画、アニメ、ラノベ。日本のサブカルチャーをよく知って、ついつい時間を忘れて語り合ってしまうからである。と余談はここまでにしておこう。
なぜ彼女たちはここに来たのか?
僕は一つの仮説をたてた。それは彼女たちも
静かな場所で休憩したかったのではないかと
いうことだ。この時の僕はまだ安心しきったままであった。
しかし気が付くと彼女たちは僕の座っている席の前に仁王立ちになりながら堂々と立っていた。
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