お題:熱帯夜 「僕だけの、熱帯夜」


彼女は幼なじみ。3歳から知っている、僕の親友。

「彼氏と別れた?」

「…うん。浮気された。男運が悪いのよね、あたし」

カリッと爪を噛んだ。

え、こんなに白い指だったかな。

細いうなじ。柔らかそうな耳たぶ。


風が吹く。初夏の匂いがした。


その日から僕ひとりが「熱帯夜」の住人。

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