(5)
自称「レスキュー隊員」が持って来た雑誌や新聞を読んでいる内に、夕食が届けられた。
雑誌は……週刊か半月に1回のミニコミ誌で、新聞も地方紙がほとんど……そうだ、私が子供の頃に旧首都圏が崩壊して以降、新聞と言えば地方紙になり、雑誌も各地域に特化したミニコミ誌が主流になった。
雑誌の多くは……あの戦闘より前に出て行たもののようで、新聞では……「正義の味方」を名乗るテロリストが筑豊TCAを襲撃し、その政治体制を崩壊させた事についての論調は様々だった。
それ以前に、ある新聞では一面記事だが、別の新聞では三面記事と……扱いの大きさにも差が有った。
新聞記事に関する私の感想は……良い悪い以前に「混乱」だ。
少し頭を休める為に夕食を口にする。
一見すると病院食か何かに見えるが……「真の日本」で食べていた食事より美味い気がするが……いや、これも私達を洗脳する為に、特別な高級食材でも使っているのだろう。
……いや、待て、既に権力を失なった政治家を洗脳して何になる?
何になるもクソも……我々を洗脳しようとしているのが明らかならば……奴らのやる全ての行為を洗脳と疑って見るのが賢明では無いのか?
どこが賢明だ? 我々は全てを失なったんだ。新しい状況に適応しろ。我々は負けたんだ。
うるさい。真の日本人は「外」にも居る筈だ。
だからどうした?「正義の味方」を名乗る者達の圧倒的な
何だと? 我々の理念を捨て去る気か?
笑わせるな。非はこちらに有る。博多で我々の手の者がテロを起したので、「正義の味方」どももついに堪忍袋の……。
いや、待て、待ってくれ。
やめろ誰だ私のあたまからでていってくれ。
はい、ブーメラン。少数派になりつつあるのはお前らだ。お前らの言う通り、お前らが我々に従うのが民主主義だ。従え従え従え従え従え従え従え従え従え従え……。
抗う抗う抗う抗う抗う抗う徹底的に抗いつづけるつづけるつづけ………い……いやだ……消える消える……消える……。
だからどうなっているでていけでていけしずかにしてくれしずかにしてくれたのむたのむたのむ……。
そのとき、へやのいりぐちがあき、じしょう「れすきゅーたいいん」がとびこんで……。
あわわわ……ばばばば……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます