第2話 一年後
早いもので転生後、1年が経過した。
この1年間でいろんなことが分かってきた。まず、自分の名前はスコールということだ。母親の名前はトワ。父親はいるようだが、まだ会ったことはない。名前も不明だ。鏡を見て確認したが、自分は母親似のようで、金髪碧眼で女の子のような顔をしているが、男の子である。(転生後、2日目に確認したwww)
ただし、トワ母さんと異なる点が1つだけある。
耳がヒューマンと同じでエルフのように尖っていない。最初はホントにトワ母さんの子なのかと疑ったが、耳以外はそっくりなので間違いないよね、ホントだよね。
母親は純粋なエルフで父親はエルフ以外の可能性が高い。
最近では言葉もほぼ理解できるようになってきた。しかし、話すとなるといささか問題がある。
「おはようごさいましゅ。」
「おはよう、スコールちゃん。今日はおっぱい飲む?」
「う~ん。いらないでしゅ。トワ母さんと同じ物を食べるでしゅ。」
こんな具合である。元アラフォーの小学校教師としては少々納得がいかない。
トワ母さんのおっぱいは、それはそれは素晴らしいのだが、心を鬼にして先日卒業させていただいた。
「あらぁ。残念。じゃあ だっこは?」
「おねがいしましゅ。」
「エヘヘヘ かわいいスコールちゃん。はい、ぎゅ~~~。」
「トワ母さん はい、ぎゅ~~~。」
「「いただきます(しゅ)」」
朝食後は 母親といっしょに魔法学園へ向かう。この1年間 ずっと同じルーティーンだ。魔法学園と魔法学園職員用宿舎は近接していて、歩いて10分もあれば着くのだが、子供の足では倍の20分はかかる。
「「いってきま~す(しゅ)」」
「「ちゅ♡」」
トワ母さんに抱きかかえられ石畳の並木道を歩く。
この世界にも四季があり、今は春だ。
1年は300日 1月は30日 1週間は5日だ。
1週間は 風の日 火の日 水の日 土の日 光の日となっていて、光の日は安息日となっている。
今日は4月1日、魔法学園の入学式の日なのだ。
魔法学園には 初等部 中等部 高等部 大学院があり、トワ母さんは中等部で講師として中等魔法学を教えている。
生まれて1か月たった日、目もはっきり見え始めて《魔法》の存在を知ったときはそりゃあ驚いた。その時、自分が異世界転生をしたことを確信したと同時に胸の高鳴りを抑えることができなかった。
「「おはようございます(しゅ)」」
今日も魔法学園での1日が始まる。
【読んでくれてありがとうございます。】
【1日2話は毎日更新できるように頑張ります】
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