第18話 吸引力

「うまい!!!」


魚料理に肉料理、少し独特で日本では見たこと無い料理など様々だが、セレネが作ってくれた料理はどれも美味しい!

食べてる姿を見て微笑むセレネは母にそっくりだ。

仕事が忙しくて、なかなか料理が作れなかった母の手料理を食べてる気になるのが更に美味しさを引き立てているのかもしれない。


これだけ美味しければ量は多いが食べきれそうだ!

皆もいるし!


そう思いチャペを見ると物凄い勢いで食事をしている。まるで吸引力の変わらない掃除機のようだ。


「チャペ美味しいな!」


「…」


「チャペ!セレネさんの料理美味しいな!」


「…」



うん。どうやら聞こえてないらしい。



次は何を食べようかと見渡していると1つ気になるものがある。


「これは…悪魔の刺激を与えし牛肉煮込み…もといカレーだよな?」


寄って食べてみる


やっぱりカレーだ。しかも自分が作っていたカレーに味が似ている


「あら?ハクトくんはそれが好きなの?オーロックスの悪魔煮込み」


「好きです!それに、よく作ってた料理に似てたからビックリしました!」


オーロックス、食べてる感じ牛肉に似ているし悪魔煮込みって…この世界だと本当に料理名になってるのか。


「ハクトくんは料理出来るのね!今度は作って貰おうかしら!」


「自信は無いですけど機会があれば作りますよ!」


ふふふと微笑むセレネの笑顔が、作ってあげた料理を食べる母の顔を彷彿させる。


「本当にどれも美味しくて!ありがとうございます!」


セレネに礼を言うと、視線を感じる。


その視線の相手はセレネの横に座るエレナだ。

食事会が始まってから何度か視線を感じていた、その度に目が合うが直ぐにうつむかれてしまう。


何か悪いことしたっけ…?


「奥様、そろそろ焼き上がったかと。確認お願い致します。」


キッチンから出てきたユーノがセレネを連れて戻っていく。



エレナは話そうとすると避けられるが、ウルはルナと楽しそうに食事している、チャペは相変わらず吸引力が変わらない。


残り2人は…


「なんだ!エルフの姉さん!いけるクチだな!」


「エルフの姉さんってトゥランよ!それにまだまだ序の口なんだから!」


ファウノとトゥランはひたすら酒を飲んでるみたいだ…少し喧(やかま)しい。


1日色々あったが何だかんだこの世界でも楽しく暮らせそうな気がする…もちろんやることはあるが!


色々あったといえば、レッドヘルドラゴンが食卓に並んでいないご馳走と言っていたから楽しみにしていたがどうなったんだろうか?



「お待たせしました~」


そう思っているとセレネとユーノがメインディッシュを運んでくる


「これがレッドヘルドラゴンの玉眼!?」




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