第6話 新たに…
咳が続いて病院に行けば、肺炎と診断され即入院。さらに、結核の疑いをもたれて怖かったけど、結核でもなく、肺炎も良くなり一週間で退院した。
だからと言って、咳は中々治まらない。身が
一週間後の診察は、週に一度やって来る呼吸器内科の、まだ、若い女医。そして、これは主治医も気にしていたことだけど、右肺はきれいになっているものの、左肺が白くはないけど、モヤがかかったようになっている。そのモヤがはっきりしないことから、もう少し様子を見ることとなった。
その日の午後、私はマッサージに行った。背中や脇腹が痛いのは、咳で筋肉に負担がかかったせいもあると思ったからで、マッサージは受けている時は気持ちよかったけど、帰宅しても、やはり痛い。
こうなったら、頼るべきは主治医である。
「マッサージなんか、ダメよ」
と、湿布薬と痛み止めをくれた。湿布薬は気持ちよく、背中から脇腹と5枚ほど張った。だが、もらったのは、7枚入りが1パックだけ。幸い、家には他の病院でもらった残りがあったので、それらを総動員して、何とかしのいだ。
次の診察日に、あれではとても足らないと言えば、今度は湿布薬が4パック、スティック状の塗薬を2本くれた。これで、だいぶ楽になり、咳も治まりつつあった。因みに、膵臓は異常なし。
だが、女医はやはり左肺のモヤが気になるので「肺カメラ検査」を受けてほしい。そして、この病院では出来ないから、受けられる病院に行ってくれと言う。
肺カメラなんて初めて聞いたけど、女医の様子からしてちょっと大変な検査らしい。そこで、家に帰って調べて見れば、ちょっとどころでもなく、胃カメラの比でもなく、1泊2日のかなりつらい検査…。
当日、私は刑場に引き立てられる牛の様な気持ちで家を出た。とは言っても、早速に肺カメラ検査を受けるのではなく、その予約に行くだけなのに、私の中ではすでに最悪のシナリオが出来上がっていた。
つらい検査、即、入院。
そんなことになったら、どうしよう…。
どうしようもないことはわかっているのに、やはり、気は重い。
また、その日の暑いこと。いくら思い悩もうとも、汗は勝手にふき出してくる。
いやな予感しかしない…。
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