第12話 空の光を

空を歩くということとは、光であった。

青い空の光。白い雲の光。眩しい太陽の光。

天空の世界の眩しい光は世界を満たしていた。

美しく満ち足りたこの世界に、しばしの間浸らせてもらっていた。


はたと思った。

物足りない。

何がなのかはわからない。けれども、足どり軽く大空を歩いても歩いても。物足りなかった。


ふと足下を見ると、町や原っぱや川が広がっていた。

懐かしく思えた。

私には、空の世界は少し早すぎたみたい。


そうして、私はまた、地上へと歩いていくことにした。

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