第13話:ステータス画面

王歴327年2月6日:南大魔境のキャト族狩場・クリスティアン視点


『クリスティアン』

種族:ホモサピエンス

称号:悪食

レベル:12/∞


「基本能力」

HP:   189

魔力:389445

命力:219218 

筋力:   165  

体力:   172 

知性: 10057  

精神:   643  

速力:   154

器用:   175

運 :   174

魅力:   159


「神与スキル」

悪食  :レベル12


「付帯スキル」

回復魔術:レベル12(スライム変化時)

    :ヒーリング

毒術  :レベル12(スライム・サイドワインダーなどに変化時)

酸弾  :レベル12(スライム変化時)

    :アッシドバレット

薬生産 :レベル12(スライム変化時)

    :ファーマスーティカル

毒生産 :レベル12(スライム変化時)

    :ポイズニング

棒術  :レベル10(ホブオーク変化時)

    :スティックアート

剛力  :レベル10(ホブオーク変化時)

    :スーパーヒューマンストレングス

自己回復:レベル10(ホブオーク変化時)

    :セルフヒーリング

牙突進 :レベル10(レッドボア変化時)

    :ファングラッシュ


「装備と武器」

投擲用の石

上等の絹服

上等の絹ズボン

上等の乗馬ブーツ

上等の絹手袋


 空中に俺のステータス画面が浮かび上がっている。

 色々試してみたが、触って何かができる訳ではないようだ。

 黙って空中を触るようなしぐさを続けるのは異常だよな。


「グレタ、時間がもったいない。

 村に戻るまでに俺が記憶を失っていた間の事を話してくれ」


 話を聞きながらステータス画面を確認検証しておこう。

 100半ばのステータスは、俺が前世の記憶を取り戻す前、クリスティアンが努力を重ねた能力だろうな。


「以前にも話したが、クリスティアンはスライムに変化した。

 それも、ポイズンともヒールとも言い難い姿にだ」


 知性が1万台になったのは、前世の知識を思い出したからだろう。

 魔力と命力が異常なのは、俺が魔力を増幅したり魔力器官を改造したりしただけではなく、新たな魔力器官を創造したせいだろうか?


「そうか、それで、どれくらいの時間スライムに変化していたのだ」


 それとも『悪食』のスキルが影響しているのだろうか?

 可能性が高いのは、両方が相乗効果をだした事だな。

 そうでなければ、いくらなんでも他の能力と比べて数値が桁外れすぎる。


「食う相手の数は減ったが、重量は増えていただろう。

 それなのに以前の半分の時間でレッドボアを消化吸収していた。

 正直見ていて恐ろしくなったよ。

 こんな強力なスライムに村が襲われたらどうしようかとな」


『悪食』スキルがいつの間にか12レベルになっている。

 2度、いや、3度使っただけだが、効率よく経験値が稼げたのだろう。


「俺に敵意を向けない限り襲われないと思うぞ」


 まだ『悪食』スキルには分からない事が多過ぎるが、すべてを解明できたら、とんでもなく役に立つスキルに違いない。

 これまでに知られている神与スキルと違って付帯スキルが属性に縛られていない。


「ああ、わかっている、今回も前回もリンクス族は襲われていないからな。

 だが問題は、他の部族、多くの村人たちの態度だ。

 昨日は急な事だったから、クリスティアンの事を知ったのは門番とタイガー族だけだったが、もう今頃は村中にクリスティアンの事が広まっている」


 かなり真剣な話しになってきたな。

 ステータス画面の事を気にしていると決定的な失敗をするかもしれない。


「それは、村長やタイガー族が納得したとしても、俺に敵意を持つ部族が現れてしまって、俺が我を忘れて村を襲うかもしれないと言いたいのだな」


「ああ、そう言う事だ。

 付け加えると、孤高のタイガー族は、村長が納得しても同じようには考えない。

 そういう種族だと考えてくれ」


「だったら俺はここで分かれて野宿すべきなのか?」


「いや、私ができる限り説得する。

 最初に敵対したイングリートが同じように説得してくれれば効果があるだろう。

 説得してくれるよな、イングリート」


 あまりのも大人しいので忘れていた。

 そういえば、村長の娘であるイングリートが同行していたな。


「……はい、村の事を考えればそのホモサピエンスを怒らせるわけにはいきません」


 やれ、やれ、これではまるで疫病神だな、俺は。

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