47日目 新玉ねぎステーキ

 早く食べやがれ。俺はそこまで気が長くねーんだ。おめーが落ち込んでる間に俺は傷んでいくんだそ?


 キッチンに鎮座する新玉ねぎに声をかけられた。そうでした。すみませんと思いながら、こまりは彼を厚めの輪切りに切った。


 案外思い切りがいいんじゃねーか。そういうの嫌いじゃねーよ。


 それが彼の最後の言葉だった。


 バターを熱したフライパンに彼らを並べ、上から料理酒をかけ蓋をする。他の副菜を作っている間に、ある程度火が通ったら、醤油をかけて弱火にして蓋をする。


 食べる前に温め直して、鰹節をかけていただく、新玉ねぎステーキだ。


 材料はシンプルなのに、バターのコクと新玉ねぎの実力が相まって、どんどん箸が進む美味しさだ。


 美味しい。


 こまりは何だかこの勢いで明日は行ける気がした。ずっと行かないとと思っていたところへ。ここへ行くのは何年ぶりだろう?


 その勢いでウェブ予約した。


 明日は身を捧げる。こまりはまだ前日なのに少し緊張し始めるのだった。


【今日できたこと】

 ・旬を手軽に美味しくいただく

 ・予約


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