15日目 親不孝者

 起きれない~


 こまりは布団でごろごろしていた。身体がだるく起きれずになかなか起きれずにいた。


 理由はわかっている、やるべきことから逃げているからだ。


 逃げまくっているからだ。


 こまりには学生の頃からずっとやっている毎年の習慣があった。

 それは両親への誕生日プレゼントだ。母の日、父の日も欠かさず贈り物を贈ってきた。


 今年もその手配をしなくてはいけない時期にきているのに気が進まない。ぽちっとするだけなのにできない。


 こわいのだ。関わるのが。


 せっかく、せっかく、勉強して準備して、受かった就職先だったのに、


 今度こそは定年まで勤めあげるつもりだったのに、


 親が他の人にいっても恥ずかしくない就職先だったのに、


 頑張れずに辞めた自分が恥ずかしすぎて、連絡を返せない。もう34歳なのに。


 学費も出してもらった、いつも支えてくれた、それなのに何も返せずにただ家にいる自分なんて恥ずかしくて死にそうだ。


 連絡した方がいいのも、

 プレゼントを贈った方がいいのもわかっている。


 ただ、どうしても恥ずかしくて堪らない。こんな娘のことは忘れてほしい。


 どうか、忘れてほしい。


 心も身体もこの32平方から踏み出せない。


 時間が経てば、また外で頑張れるだろうか。


 どうか、私のことは忘れてください。ごめんなさい。


 こまりは枕に顔を埋めるのだった。




【今日できたこと】

 ・やるべきことを思い出す。

 夕御飯:スパム丼、長ネギとワカメのナムル、ほうれん草のごま和え、なすの焼きびたし、お味噌汁

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