第11話幾つになっても男と女
「絶対的に味方だと思っている人が
急に敵になるのが耐えられないんです」
それが彼の言い分だったが、
2回目の音信不通に私は幾分冷静だった。
私はいかなる理由であれ、電話を一方的に切る行為と、理由を告げずに無視する行為を禁じた。もし今度同じ事をしたら別れると。
彼は二度と同じ事はしないと約束した。
仲直りをすると、彼は無邪気な声で、
「俺は褒めて伸ばしてほしいなーと子供の頃から思ってました。
マホとの電話は希望の源泉です。
マホのこと愛してます。会いたくてたまらない。寂しいけど、精神的に繋がっているという自負があるからなんとか耐えられるんだと思います。マホのことどうでもよかったらこんなに切なくなってませんから。
遠距離だからこそ、相手がどれだけ自分に必要な存在かわかりました。我々がこうなったことに感謝してます」
これが夢ならきっと悪夢だ。
彼は完璧なヒーローなんかではなく、
ワガママなただの男だ。
私も愚かなただの女だ。
人間だ。
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