閑話休題のおまけ
作品に登場する銃器 その一
ミロク MS2000 スポーティング/フィールド GR1(上下二連元折式散弾銃)
銃身長/26インチ、もしくは28インチ
重量/2・9キログラム
価格/31─35万円
口径/12番
装弾数/2発
主な使用弾薬/12番スラッグ弾、バックショット(OOB=ダブルオーバックの9粒弾)
国産唯一の銃器製造販売メーカーであるミロクが国内販売専用モデルとして発売したもの。軽合金レシーバーにより軽量化が図られており、木製部分は木目が美しく、機関部や用心金には繊細な彫刻が施されている。その分、価格はエントリーモデルであるグレード1でも35万円、左右別の彫刻が施されたハイグレードなモデルともなれば100万円近くする。ロングフォーシングコーン(薬室と銃身を繋ぐコーンを延長し安定させる構造)とバックボアード銃身(銃身直径を大きくしてショット同士の銃身内でのぶつかり合いを減らし且つガス抜けを良くする)に合わせたチョーク(銃口の絞りを調整する機能。固定式や交換式がある)の採用で、これまで以上にショットパターンを均一化させている。また、従来品よりテーパー(根元から先端に向かい絞り込まれた形状)角度を小さくしたことも同様の意味を持つ。リブ(銃身上部の橋状の部品で照準合わせの際、目線のガイド役となる)には先端の照星に加え、中間照星が取り付けられている。トリガーは前後に三段階の調整ができると共に形状の違うものが別に二個付属する。機関部の上にあるトップレバー(開閉レバー)を右に押すと銃が折れ、撃ち終わった薬莢が排莢される。このレバーの後ろにあるのが安全装置を兼ねたセレクターでSがセーフティー、Uがアンダー(下筒)、Oがオーバー(上筒)を切り替える。
本編では上下とも交換チョークはライフルド・スラッグ弾の使用を念頭に平筒(シリンダー)としている。基本的に初矢(下筒)をバックショット(OOB=ダブルオーバックの9粒弾、バックは牡鹿の意)、二の矢(上筒)をライフルド・スラッグ弾とすることが多い。ちなみにOOBのバックショットをインプシリンダー(近距離用で平筒より僅かに銃口出口を狭めてあるもの)で50メートル先を狙って撃って人の上半身ほどの的に当たるのは2、3粒とのこと。
また、美鈴が使用するのに合わせて、オープンスタイルのドットサイトを取り付けた。
※OOB=ペレットの大きさが0・33インチ(8・38ミリ)。一般的な薬莢の長さが2・75(2─3/4)インチ長(70ミリ)のものは9個入っており、日本では9粒弾とも呼ばれる。
※価格等は2018年頃のものです。
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