第460話 魔法修行・外部試験一期生


魔法のトレーニングなんてどんなものだろうとワクワクしてやってきた


少しボブに無理を言ってしまったが・・まぁボブと私の仲だ


今度良い肉でも送って許してもらおう



何度も写真で見たレアナービル、そしてレアナー城


ビルには今は人はいない


城は・・・やはり大きな建造物は良いね、見ごたえがある!


出てきたマジカルボーイも思っていたよりも小さくて華奢だった、変身できるようだしよく似たカゲムシャもいる


本人か心配だったが『杖をなにもないところから取り出して』私にも日本語を話せて理解できるようにしてくれた



マッハで空を飛び、日本からアメリカまでワープもする


不治の病を癒やし、失った臓器を元に戻す


目を治したという報告だけは面白かったな


事故で顎が粉々になった男性、顎を治してもらいに行ったら片目が義眼で目がポンと勢いよく飛び出してしまったという


これは笑い話になるが笑い話にならないもののほうが多い


最終的に完全に治りはするのだが身体の中にボルトが入った人もいるもので・・・背骨のボルトやペースメーカー、身体の中に残ったままで困ることもあるという


取り出してまた治癒魔法を使えば完全に問題はなくなるから結果的には良いのかもしれないな


外科的なのか魔法的なのか方法はわからんが・・・



人には身体の中に劣化する部位というものがある


年齢を重ねれば背骨の中にある椎間板はだんだんと減り、視力は衰え、血管も悪くなるというもの


人間、身体が痛むとどうしても活力が無くなってくるもの


椎間板ヘルニアや腰をやってしまうとなかなかに辛い


腰骨をやってしまった人の中には椎間板が殆どなくなって動くのも大変という人がいたがそれがもとに戻っていた


レアナー教に入った信者たちは年齢も関係なくエネルギッシュに活動している



俄然興味が出てきた



何度も、どんな方法で連絡をとろうとしても完全に無視


安藤とかいう娘のせいでビルに入れなかったのが痛いな


あの時期に我が国に来てもらえれば・・・済んだことは仕方ない



修業に入るのにまず渡されたのは書類だ、うん、ちょっとしか読めない


トーマスとボブも困っていたが黒葉司祭が説明してくれた


これは修業を受ける時に必要な同意書


不慮の事故や死亡の責任を取りませんよという同意書、危険なアトラクションでもあるやつだな


もちろん何かあれば治してくれるらしいがもしもの場合らしい


真っ青になって首を横に振るトーマスだが奪い取ってサインする



ここまで来て尻込みできるか!



始まった修行はまず説明からだった


この魔法学校計画はそもそも金が目的ではない、目的は世界間での保険


世界はつながっていて、向こうの世界もこちらの世界も空気に問題を抱えている


故にあるかもしれない事故、アンデッドの発生や病気の蔓延をさせないためにもやろうと思ったそうな


真意は分からないがやってみよう


実際にやってみて良かったら信徒になるつもりだ


いい顔をされないかもしれないがこれは必要なことだと私は考えている



・・・・始まったのは滝行だ



城の中なのに、滝がある


かなり意味がわからないがこれは魔力を含んだ水であるそうで・・・打たれる



なんだろう



『こうだったら怪しい』と事前に調べられた宗教の修行スタイルに近いのだが・・・?



・・・とにかくまだ始まったばかり



「・・・・これっ!」


「はずれ」



「死ぬ死ぬ死ぬ!?死んでしまう!!!」


「ばかぁぁぁぁあああああああああ???!!」



「え?なにこれ?落下訓練?落ちてるのに落ちないんだけど」


「ハハハハハ!!こんなに面白いのか!!!」



「え?なにこれ?あつく・・・ない?」


「興味深いな」



「ドラゴン?石像?」


「透けてるやついるぞ?なんか動いてね?」


「うん、動いてるな」


「<ソいつはぶっ殺さナイと!!!??>」


「とーさん!?なにやってんのさ!??」


「<ヨーすケ!!そ、そそそそいつ、ダメ、薬盛ッタ、アヴナイ!?>」


「やめてっ!」


「<あなた?>」


「<・・・・・・はい、すいません>」



「凄いなこれ、レアナー教は人工衛星持ってたのか?我が合衆国が丸見えなんだが」


「神様の作った道具です・・え?ここは案内しない場所?間違えた・・・まぁいっか」


「あれ?これ、波動いてるよな?リアルタイム?」


「おぅ・・・」



魔力の含んであるカードを選べだとか危殆に瀕して魔力が目覚めるかもしれないとか言って通路の幅いっぱいのでかい岩に追われたりした、怪しさ満点である


空を落ち続ける謎の部屋や、白い炎の上を歩いてみたり、巨大な動くロボットや地球上のどこでも見下ろせる神様の道具


体験したこれらが魔法なのか、科学技術なのかはわからない


ただ空から地上を見て、釣り狂いのいとこが夜中なのに堤防で釣っているのは確認した、魚種は分からないがいいサイズのを釣っているな


リアルタイムで地上のどこでも見れる技術はおそらく今の科学技術では不可能だろう


輪郭しかわからなかったがトーマスを追いかけ回したステルス機、空を飛んでそれを連れて行ったドラゴン



信じられないことばかりだ



私には魔力というのはよくわからなかったがボブはなにか感じたようである


一通り体験してみてこれまでに感じたことのないなにかを感じ取れたのは確かだ、使えるかどうかは別として


今日は来てよかった


ボブの予定を聞いていたからこそ合わせられたが・・・これではどっちが目的で来日したのかわからんな



「あ、吾郷、さっきぶり」


「ダート大統領・・何やってるんですか・・・?」


「吾郷の友達?この後、御飯食べるんだけどダートさんとトーマスさんも来る?あ、ボブとランディはもちろん来るよね?」


「アメリカのだ「あぁ!もちろんだ!!」



呆れたような吾郷には申し訳ないが昨日会食して話し合ったんだから良いじゃないか


気が付いていないマジカルボーイに吾郷の言葉を遮って肩を組む、気が付いたら流石に驚くよね?

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