第410話 レアナー城潜入


これほど一つのことを調べたことは今までになかった・・・


スーツケースに荷物を詰めて城の門をくぐる


彼らは『レアナー教』この大きな城というだけで彼らの危険性を感じる


日本の宗教施設というのは巨大な建造物があったりするものだが彼らが世の中に現れたのは今年の春だ


いくらなんでもこんな巨大な城を建てるほどの金も時間も建築技術もあるわけがない、突如として現れたなど異常すぎる


彼らは空を飛ぶ魔法少女と呼ばれた教祖を頂点に怪我人や病人を治し、その対価に莫大な金銭を要求する


世界のニュースで「日本円で6億円支払った」というものがあった


そんな人ばかりではないだろうが治療を求めて患者が行列を作っている


毎日莫大な金が入ってくるというのだからこの宗教は儲かっているのだろうな


最近まで日本全体で彼らは大暴れしていたし、首相が二度も謝りに来たことがあるなど新興宗教と侮ることが出来ない団体だ


日本の周りにいた軍事演習も彼らが目的だったのではないかという陰謀論もあった



・・・・・そんな巨大な宗教団体だ、我が子が傾倒していて心配じゃないわけがない


が、大切にされているのならそれはそれで幸せなのかもしれない



でも怪しすぎるのだ、調べてみるとある日城が建ったとか、腕がはえたとか・・・


意味がわからない


来てみてわかったのは山であることで目立たなかったのではないかという印象だ


そして麓は彼らの親戚が多くいること、建築関係者もいることから長い時間をかけて建設されていたものかもしれないと推測できる



つけたくもないワッペンを付けて中に入った


入り口はワイワイと同じワッペンを付けた人も多い



胸が痛い、心臓が鼻から出てきそうだ



近頃一気に信徒が増えたからか現在は一般人は禁止で信徒と神官の家族は入っても良いことになっている


ネットでホームページが新設されて書いていたのだからあっているはず


トイレの場所を聞いて中で変装を少し変更する


付け髭をあごひげから鼻の下をもっさりにし、髪の色を黒くかえた・・・白髪増えたなぁ


ワッペンはちゃんと胸につけて聞いて回る



「え、教祖様について?あぁ聖下ね、あんた来たばっかりだね」


「そうなんですよ、だから色々知りたくて」



聖下、レアナー教内での呼び方だったか


ちゃんとそう言わないとな



「良い子だよ?あんな小さくても皆のために不器用ながら頑張ってるしただ女癖がなぁ」


「聖下の話ししてる?女癖は悪くないだろう」


「でも12万人と結婚してる上に男も女も関係なしっていうのはな・・・犬耳の男の娘とかいたぜ?」



金槌で頭を殴られた気分だ


もっと早く来るべきだった


男の子にコスプレさせて嫁にしているのか



―――・・『新興宗教×女性信徒を食い物に』



そんな事件は何処の国でも昔からあるものだ


もっと、もっと早く行動していたら良かったかもしれない



「エシャロットさん・・・男の子だったのか・・・・・」


「何人も美人な女性娶ってるらしいし流石我らの聖下!そう言いたいけど男もありだとか、カルカスさんなんておじいちゃんだけど嫁らしいぞ?」


「マジカヨ」



聞くに堪えないとはこのことだろうか・・・


大きくなった自称洋介の放送ではそういう発言もあった、でも中の人にそんなことを言われるとショッキングすぎる・・



「青い顔をしているけど大丈夫かい?」


「外にいたから体が冷えたのかもしれません」


「そりゃ良くない、大浴場に行くと良い、こっちだ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る