第320話 見つけた?
関羽さんとタヌカってやつが何かを壊したのは合図用の魔道具だ
関羽さんは突き当りの部屋で元杉神官の気配もあるし合図だろう
タヌカが割ったものなにかの合図『侵入者が来た』という合図だろうか?
ここは急いで元杉神官を連れて帰りたい
今にもレアナー教国の聖騎士たちがなだれ込んでくる可能性がある
整列されているのか等間隔に並べられた黒いミイラが並ぶ部屋
その中でも体つきが小さい黒ミイラの顔を切って行く
「ベルス!オルジュ!」
ミーキュちゃんが顔を確認したけど元杉神官じゃない
元杉神官ぐらいの大きさのだが違う、よく似ている2人、兄弟かna
?
「知ってる人?」
「です!こっちもこっちも!うちの人!です!!」
50人ほど並ぶ黒ミイラ、中身は皆勇者領地の人?
とにかくどんどんと小柄な人から顔を剥いていく
元杉神官さえ助けられたらこの状況をどうにかしてくれるはずだ
タヌカという人を倒すほうが良いかもしれないけど関羽さんに任せよう
銃は誤射が怖い
さっきみたいに後方から狙う時間があるのと違って人質の間を走り回ってるなんて狙えるわけがない
「あぶなっ!?」
タヌカが手を振ったかと思えば関羽さんのハルバードが遥に飛んでいった
遥の盾を斜めに貫通し、遥の肩を傷つけた
「貴様ァっ!!!」
関羽さんがタヌカに殴りかかっている間に腕を抑えた遥を治癒して後ろに引きずるように後ろに下がる
いつ攻撃してくるかわからない
「<レアナー様、遥の怪我を治せますように!ヒール!!>」
大分使えるようになってきた治癒魔法だけど結構な傷だ
多分骨折もしているだろうしすぐには治しきれない
「私じゃ、すぐに治しきれない」
「よ、洋介を探そう」
左腕につけていた盾
関羽さんの武器が刺さったひしゃげたそれをなんとかねじれた腕を抜くことで外した
左肩から先はひどい傷だ、明らかに何箇所か折れている
あまりのダメージにショックを受けているのだろう
顔も青くなっているし少しふらついている、休ませたいが急がないといけない
今にも聖騎士がなだれ込んでくる可能性もある
そうすると元杉神官は捕まったままになるかもしれない
「ふんっ!!」
「ぐっぎぃいいい、きかん!効かんなぁ!!!」
私も小柄なミイラの顔を開けていく、違う、違う、違う
関羽さんをちらりと見ると武器がない分身軽になったのかタヌカを殴って圧倒している
たまに素手なのに壁や床ごと壊してしまっている
だけどタヌカの動きも止まらない
関羽に腕を振ると関羽も怪我を血を飛び散らせている
「ちぇりあ!!」
「ぬぅ!?この外道がっ!!!ぐっ!?」
何もない空間に向かって手を振ると黒ミイラが関羽に飛んでいく
飛んできた黒ミイラをそっと関羽が抱き止め、明らかに出来た隙き
刀で斬りかかって行ったタヌカ
前腕の手甲で受けた関羽、同時にタヌカの腹に足刀蹴りを入れた
「うぐっ!!?」
戦闘音の中でひときわ大きな音がして吹っ飛んでいくタヌカ
普通なら致命傷のような一撃だ
とにかく急いで探すが全然見つからない
部屋の中からたしかに元杉神官の気配を感じられるのに
「<サシル様!元杉神官は何処にいますか!>」
ここに捕まっているミイラの中に本当にいるのか?
大きな人型や明らかにしっぽが見えるミイラは違う
小柄なミイラ、大きさは元杉神官ぐらいが多いが全部ダミーの可能性だってある
<私からはわかりません、ブローチを使いなさい>
ブローチ!?あの元邪神使えるのか??
魔力を込めると邪神は出て来ないが緑の光が奥の1人を指した
<それは洋介さんの魔力がこめられていますからね、気をつけなさい>
「あれが元杉神官!?」
明らかに大きい
成人男性ぐらいはある、予想よりもかなり大きい
この布、多く巻いて大きく見せているのか?!
タヌカと関羽さんは部屋のもっと奥にまで行っている
今のうちに元杉神官を解放しよう
後一歩、手を伸ばせば届く距離まで来て
横から手を打ち払われた
「すまんな、こっちも仕事なんだわ」
横にタヌカと同じような格好の男が出てきた
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