第240話 (大人の)自由研究
アサガオときゅうりができた
自由研究に合わせて試しに植えた洋介くんのアサガオと野菜
他にもいくつかの野菜ができたのだが未だ成長途中のものもある
確実にできたと言えるのはアサガオときゅうりだけだ
実に良い、幽霊や超能力の調査も良いが魔法の力が宿っていそうな魔法の花が出来たのかもしれない
花ときゅうりの前には高機能カメラを設置している
もしかしたら鳴いたりするかもしれない
マイクも設置しておいた
アサガオ 学名は Ipomoea nil
ヒルガオ科サツマイモ属の植物、原産国は中国ネパール・アメリカ中東と言った説がある花だ
子房なども注目すべきところだがこの花は酸性やアルカリ性で花の色がかわる
酸性で赤く、アルカリ性で青くなる
注目すべきは環境の変化に敏感という点だ
魔力によってなにかかわるのかもしれない
同じ水、同じ土で植えられた自由研究との比較ができるのは良い・・ただし正しく情報を得られるかは不明だ
なにせ最低は100ほど植えてほしかったのに植えてくれたのは1つだけ
ぐぬぬぬ
花は解剖して何かしらの器官の差異を調べる?成分をミキサーにかけて調べる?中世ヨーロッパの魔除けのようになにか施す?
活用できるのは一本だけ
見た目に神田兄弟との花に差はない
もう一つちゃんと実がなっているのがきゅうりだ
学名は Cucumis sativus L.
キューカンバー
こちらが本命だ
花もきゅうりも洋介くんは水をやるときに魔力を込めていったという
水分に魔力が混じっているのであるならば、そしてきゅうりの90%が水分というのであればその中に魔力がわずかにでも蓄積されているのではないか?
魔力という未知の謎エネルギーを調べるのにはこのアサガオときゅうりはとても良い・・・かもしれない
様々な調べ方があるだろうがまずはアサガオの花や茎をそのまま外から生きたまま観察する
24時間見ているとなにか違いがあるのかもしれない
特定の時間で光ったりなにかの測定器に反応しないか?それとも深夜の月夜になると霊が映し出されたりして・・・
肉眼でなければ差異が見られないのかもしれない
老人や子供でも見え方は異なるかもしれない
神田兄弟もバイト代を渡してじっと見てもらう
幽霊を連れてきてこれらに当てるとどうなる?
私は飽きることなく見ることが出来る
「はぁはぁ」
興奮して思わず息が荒ぶってしまった
だけど神田兄弟は居心地が悪そうだ、彼ら子供にはなにか見えてるのか?それともなにか悪い影響でも出ているのかとも思ったが単純に暇らしい
・・・なんでだ?
走り回りたい年頃なのかもしれないな
落ち着きがない子供もよくいるし仕方ないのかもしれない
下の子はじっと見て居るし協力的で助かる
それにしても花が僅かに1苗だけという点から研究できることが少ない・・・!
このまま表面の細胞を見ながら枯れるまでになにか起きたりしないか見てみたい
ごくり
もちろんビデオでも撮影している
それにしても動かずに肉眼で見続けることのなんと難しいことか
気が付けば眼球に花が当たるかと言わん距離に行ってしまっている
はぁはぁっ
「阿部さん・・神田達が怖がるからもうちょっと抑えてもらえやせんか?」
「君はこの世紀の大発見を妨げる気かね?それよりも君も一緒にどうかね?ほら、もう少しでなにか見つかるかも、赤くなってきた気がしませんか?」
「いえ、目が充血してるからじゃ?いえ、もういいでさぁ」
神田兄弟たちが六太くんを引きずっていってしまった、いつの間にか出ていたよだれを拭う
せっかく仲間ができるかと思ったのだが・・
もうかれこれ18時間はこうしているだろうか?
あぁ切り刻んで調べ尽くしたいよ、君の裏側まで顕微鏡でじっくりと!!!!!
せっかく好きにしてもいいと言われたアサガオだが次の実験を開始しよう
魔力の差とは何なのだろうか?
アサガオには毒性があるらしい、薬学に精通しているわけではないが日本でもその毒を使い薬となっていたそうな
そしてきゅうり、魔力というものがどれほどの割合なのかは分からないが接種するとどうなる?
・・・・・まずは自分で安全性を実証せねば!!
もちろん自分は薬学に関して素人だ、漢方に詳しい方に依頼して作ってもらおう
もしかしたら効能に違いがあるのかもしれない!!これぞ世紀の大発見になるかもしれない!!!!
―――後日、トイレの住民となった人がいるとかいないとか・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます