第186話 幸福に進む人生


「真莉愛!こっちこっち」


「きゃー♪」



裕也は私に優しい


少し女性の相手が慣れてなくてがさつな部分があるけど誘導してあげるとすぐになおしてくれる



リードしてくれるのも良い



春樹なんて私が全部計画して行きたいところを決めていたのに裕也はつたないながらもしっかり計画してくれる


男性にリードしてもらうのなんて初めてで新鮮だ


裕也は男らしい場所に行くことが多い


ボウリングや登山、映画館でアクション映画に釣り、ラーメンに居酒屋など


ちょっと困りものでもあるが今はこれも楽しんでおこう



それに体の相性も良い



ヒョロヒョロの春樹とはまるで違う


初々しさもなくなってきてとてもいい


少し荒っぽすぎるときもあるけどそれは仕方ないよね



裕也といるときは良いが大学はそうもいかない



大学では友達はいなくなった


私の友達だった人たちは私を責める


ムカつく、あんたたちだって同じように遥を責めたくせに私にそんなこと言ってきてさ


逃げるのも嫌なのだが海外の学校で3ヶ月ほど過ごして卒論を出せば卒業できるようにパパがどうにかしてくれるそうなのでそれまではキチンと出席はしないといけない



それに遥が最高にムカつく



たかが一般市民、娼婦みたいな身体で春樹を誘惑しておいてさ


大学では何も話さないしお互いに距離を取っているがほんとあのまま死んでてほしかった


あいつが死んでくれなかったからあたしがこんなに苦労してるっていうのに、いまやあいつは世界の有名人だ


ハイブランドの社長に一国の首長、サッカーのスター選手までもがあいつをもてはやす



ほんっとうにムカつく



どうにかしたいところではあるがやつは木を握り砕くようなゴリラだ、私のようなか弱い女が近づけるわけがない


学内には遥や黒葉の仲間も見るようになった


新興宗教のイカれた連中だ、近づかないに限る



信徒の私を見る憎しみのこもった目が更にムカつく、牙をむき出しに唸るドーベルマンのようだ


どうせあのいやらしい身体でどうにかしたのだろう


遥に学長が頭を下げていたのもきっと同じ理由だ



ネットの情報でビッチであると書き続けたからかいつの間にか作られているレアナー教の情報まとめサイトなんかには悪評もかかれるようになった


いい気味だ


検索で引っかかる「まだ私がリンクを開いていないレアナー教の情報掲示板」を見る



-あの娘まじかわいいよな!-

-あのダイナマイトボディはすごすぎる、美人だし反則だろ-

-フランスでも求愛されまくったらしい-

-普段の春日井遥の動画見たけど洋介を見てる時すごい優しそうなの良き-

-嫁に来てくれ!-



ムカつく


あんな下品な女の何が良いのよ



-ほんと美人よな、ハーフじゃないんか?-

-和服着てほしい、あのおっぱいを和服が抑え込んでるの見たい-

-でもあの娘ビッチなんでしょ?性格悪いって言うしおっさんと寝たって話もあるし-

-え?そうなの?-

-あー、どうなんだろうな?-

-幻滅だー・・・ワンチャン俺にもある?-

-どっちでもいい!眼福だ!-

-www-

-でもそれって嘘なんじゃないの?洋介チャンネルで「私は男性経験はない」って言ってたし-

-言うだけなら誰でも出来るよ(*´・ω・)(・ω・`*)ネー-

-がっかりだわ-

-嘘だといってくれ_| ̄|○ il|li・・・( ゚д゚)ハッ!俺にもチャンスが!?-



いい気味だ


幾つかのサイトで一言二言書き込んでおく



パパも大学に通ってない裕也にはよく思っていない部分はありそうだったけど「家族のための就職」や「成績も良かったしスポーツを続けていて逆境にも負けずに頑張ってる」という点が良かったのかはじめはギクシャクしていたが一緒に旅行に行ってから気に入ったようだった


春樹は失敗だったけど今の私には裕也がいるし頼りになるパパもいる



このまま私は幸せになりたいな

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