第81話 お座敷とボクシング
お座敷でお腹いっぱいになって畳をゴロゴロしていた
「ボクシング、マジでやんのか?」
「うーん……あの時はお金欲しかっただけだしねー」
まだボブと連絡を取り始めた頃は神殿に入るお金ではなく僕も自分で稼いで神殿に貢献したかったのと伯父さんが所有している僕の家を買い取りたいと思ったからだ
伯父さんは譲るっていうけど黒葉に聞くと家っていうのは維持費がかかるとかって言っていたのでどうせならその維持費分だけでもお金を払いたい
野生の魔物を狩ればお金になるとか簡単に思っていたがこちらではそうも行かないってはるねーちゃんに説教された
クジラとかマグロとかイノシシとか熊もダメらしい、世知辛い世の中である
「やるなら俺は手を抜かねーがな、こっちのミソスープ、アメリカのとは全然違うな、うめぇ」
「ふむ、どちらでもいいならやってみても良いかもしれないね」
トンカツもいいが吾郷おすすめのオコゼの唐揚げも美味しそうだ
オコゼがなんの肉かわからないが高そうなお皿に盛られていた
レモンや塩に、緑の粉もついている
「なに?」
「彼がボクシングをできるかは知らん、だが彼を奪おうという国や機関は多くあるし、魔法の力を見れる場というのがあれば彼のためになる、どちらかがあっけなく負ける可能性はあるがね?」
「洋介くん、こっちのも美味しいよ!」
「ランディおじさん行儀悪いよ!あん・・・おいしー!」
「ありがとう」
ランディさんが唐揚げを食べ、姪のサマンサちゃんにも食べさせている
僕も食べてみると魚かな?少し冷めているがしっとりした身から海の魚の旨味がほんのり出てきて美味しいごはんに合う
「おっさん、俺がボクシングで負けるとでも?」
「チャンピオン、君は拳でボクシングルールならどんな相手でも戦うと言っていたね?魔法はそのルール外では?」
「・・・ハン!たしかに、だが、この見かけで本当に強いのか?」
何故かランディさんは僕よりも箸の使い方がうまいかもしれない
ランディがこれ何?と料理を女将に聞いて「炊き合せです」と言われた
炊き合わせ、野菜をそのまま煮たようなセット
不味いかもと思って食べると予想していた苦味や青臭さは全くなく、まるで野菜の形をした出汁
そのなかに野菜の風味が少しのってるような不思議な料理だった
食べるとほっこりした
「体重も45キロほどだそうだ」
「本当にガキじゃねーか、だが攻撃手段が拳だけなら自信はある」
「彼にとってこの勝負を公表すれば世界に彼の能力を知らしめることになる」
「そう、だな、俺も魔法がどんなものかは興味はある」
「彼は私の知る情報では198センチ115キロの巨漢を一撃で殴り倒している、そんなスーパーマンに君は 挑 戦 で き る、どうかね?」
「挑戦か、おっさん人をのせるのがうまいぜ」
「吾郷、女神様にお土産が欲しい、なにかある?」
「おぉわかった!この店の和菓子はうまいぞ!」
こうして戦う前に色々と計測することになった
俺は吾郷の助けで様々な計器で肉体を計測してみた
握力や背筋力、ベンチプレスに限らず短距離、中距離をオリンピッククラスのスピードで走り、自信のあったパンチ一撃の破壊力、ハンドスピードはボクサーの中でもトップクラスだと出た
俺もマジカルボーイには恩があるし、マジカルボーイにプラスになるのなら世界最強の俺との比較はわかりやすいと思う
まぁ自分のこの結果を見るに、拳を重ねる前にマジカルボーイが諦めるかと思った
だが魔法ってのを侮ってた
強化魔法というやつであんな子供が俺の記録を軽々と超えてきたのだ
いくら速い人間でも走り回る子犬に追いつけない
そう、人間というくくりではないように感じた
おもしれえ!!
例え一撃でやられたって俺は惨めじゃねぇ!こんな凄いやつに挑めるんだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます