―布教と信徒達―
第46話 朝の被害はT
良い畳の匂いに落ち着く、ほんのりとだが少し離れた場所から嫌な絵の具の匂いもする
起きると体がバッキバキに痛い、右手も杖を持ってた手の形で固まってるし尻が痛い
自分に治癒もかけずに寝たのが悪かった
【治癒】を左手で杖をだし・・あれ?無いな?
仕方ないし収納からたまに使ってる儀式用のど派手な杖を出す
愛用のいつもの杖も僕よりも大きいので持ちにくいのだがこの杖はそれよりもさらに大きく、金色に光ってる、たまに火もでる
「<偉大なる愛と癒やしの大神レアナーよ我が魔力を奉じる、治癒の祖たるレアナーの治癒の力をここに行使することを許し給え、愛よ、ゲイリー・アモンの情熱たる空を駆けし愛・・・
声に魔力を乗せ、発動体の杖に手から魔力を込める
詠唱は様々だが僕の場合は加護を得ているし杖の効果で無詠唱でもいい
最悪<レアナー!治すよ!>だけでもいいのだが機嫌を損ねるとめんどくさいし詠唱には愛の象徴たる聖人の名前を連ねておく
向こうで言語で唱える、文字の神の恩寵もあって日本語でも良かったができるだけ神様がわかりやすいほうがいいだろう
神殿には様々な詠唱法があって叫んだりする人やモゴモゴ何言ってるかわかんない人もいた
たまに心を覗き込んでくる神様だし祈りや願いさえ通じれば大体力を貸してくれるからきっと何言ってるかわかんない人も心のなかではまともだったんだと思いたい
・・・リモッシュの子を想う愛もまた愛、彼女は間違ってはいなかった、たとえ100人殺そうが愛の女神たるレアナーは、我らは、それを認めよう>」
<なんです?おはよーですぅ、あのふたり付き合ってるわけじゃなかったですぅ、へたれですぅ>
何かむにゃむにゃと眠たそうなうるさい女神様に祈りを捧げ自分の治癒を終える
黒葉さんとはるねーちゃんが付き合ってるわけじゃなかった?何かあったのかな?リビングに出ると9時45分
僕のご飯かな?ラップにかけられた皿や小鉢に唐揚げとサラダときんぴらごぼう、それにご飯がある
-洋介へ、私大学に行ってくるからこれ食べときな、お菓子は冷蔵庫の上の段ね
色々と自重しておくこと、いいね!-
先にお菓子を確認する、プリンだ、なんか後ろに紙が折られて貼られてる
-洋介君へ朝ごはんは遥が早起きして作ってたよ味わって食べるように
ただ、久しぶりに作ったご飯だったからなにかミスってても大目に見てあげてね 亮二 -
亮二おじさんの達筆な字でメモがかかれていた
<それなんですぅ?>
「プリンです」
どうせなので皿を取り出して上に出してあげた
プルプルと美味しそうである
<変な色のスライムみたいですぅ>
「卵を使ったおかしです、一緒に食べましょう」
<楽しみですぅ、プルプルしてるですぅ>
ご飯はとても美味しかった、プリンは女神様が気に入ったみたいで僕は一口しか食べられなかった
たった一口、だが、本当に美味しい、コクのある甘みに、さり気なく程よい苦味
向こうの菓子とはまるで違う
くどさもなく苦さも臭さもなく、砂糖とくどさの塊のような菓子とは全くの別物だ
お皿を水につけておいてスマートフォーンをチェックして返事をうちこんでいく
康介伯父さん
-ちょっと色々あってな、どうせだから病院で診てもらうことにした、退院しようとすると引き止められるしな-
-いるものあったら言ってね、もっていくよ-
黒葉さん
-遥を治してくれて本当にありがとうございます、まだ入るかわかりませんがレアナー様のことをまた教えてください-
-わかりました、ビルに来てください、ねーちゃんにはヤクザさんたちのことはヒミツです-
4人目のばか
-どうしたらいいでしょうか?-
だれだっけ・・?あ、そうだヤクザさんのところで治した時に労働力になってもらった一人で4番目に殴りかかってきた金髪の人だ
治癒したらボケーっとしてて、「わかりました、じゃあ連絡先ください」で登録したんだった
-じゃあビルまで来てください-
-わかりました-
うぉっ!?
4人目さん返信が終わってスマートフォーンを置く前に返事が帰ってきた
向こうよりもこういう道具はすごいな、向こうだったらできて数十メートルの【念話】ぐらいで結構環境に作用されるから使えるのは戦闘ぐらいだったのに
慣れないスマートフォーンの入力で30分もかかってしまった
【魔力探知】で家を調べてみると玄関と和室とテーブルの上で寝転んだ女神様が反応した
あ、玄関に杖おいたんだっけ?・・・・それと和室?
はっと思って和室に行くと畳が光ってた
おいた杖から聖なる炎が出たんだろう
ちょっとしみたのか光ってる、僕が荒らした場所が
・・・・・・・・・・・
みなかったことにしよう
悪いものじゃない
儀式用金ピカ杖をひっつかんで収納し、玄関に行く
お気に入りの杖は傘立てに入ってて、玄関に[カジンの捕縛布]がたたまれて置かれてた、廊下のほんのりとした獣臭さはこれが原因か
【清浄化】の魔法を使って家を出た
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