第2話 吐血令嬢



 学園内部 体育の授業


 見学中。


 私は悲しい事に病弱だ。

 何かあればすぐに吐血してしまう。


 だから、学校に通っているのに、あまり参加できない。


 今も球技を見学していた。


 合同授業でにぎわっているのはいつも、私以外の生徒達ばかり。


 けれど問題ない。


「ノワール様、今日も素敵だわ」


 彼さえ目に入っていれば、暇な時間などないのだから。


 しかし、そんな風にうっとりとしている時も、体が弱くて吐血してしまう事がある。


 そして、時には自分で作った血だまりの中に倒れてしまう事もある。


 ホラーだ。

 はた目から見たら、完全にやばいシーンだった。


 そんなだから、あまり衝撃の強い事には関わらないようにしているのだが。


「あっ、ボールが!」


 どかっ!


「ぎゃん!」


 ばったり。


 こうやって流れ弾に当たるとすぐに即席殺人現場の出来上がりだ。


「きゃあああ、エルンさん!?」



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