87話 自己紹介未来願望

第89章

「では、今度は、未来と願望についてお願いします」

「はい。まず未来のことですが、近接未来と単純未来に分けて考えることができます。近接未来とはこれからすぐに自分がやろうとすることです。そして実現が可能なことです。例えば、このセミナーが終わったら、近くのレストランで食事をするといったことです。このセミナーが終わった時とは、すぐやってくる未来のことです。そしてレストランで食事をするということは実現可能なことです。単純未来とはこれからすぐにやってくる近接未来以外の未来でやはり実現可能なことです。例えば、またいつかこのビルの書店に来ます、ということです。またいつか、ということは近接というわけではありません。書店に来ますということはもちろん実現可能なことです」

「では願望とは」

「願望というのは、時間的には未来の事柄に関するものです。そして必ずしも実現可能なこととは限らないことです。しかし夢よりかは実現可能性が高い事柄です。ですから自己紹介の時には、夢よりも実現可能性が高い願望を話すほうがいいと思います。夢を語られると、その人の今まで話したことやこれから話すことがフィクションのように思えてしまうからです。なにを話しても、またこの人は夢物語をしているのかもしれないと思われてしまうからです。ですから夢を語りたい場合には、これは夢ですが、という前置きをしてから話したほうがいいと思います。そうすれば聞く方も例外的にそのように面白い話として聞くことができます」

「よくわかりました、先生」

「そうですかそれはよかったです。以上このように話していけばよろしいでしょう。そうすれば比較的長く時間をかけて話すことができます。自分の身の回りで起きたことはたくさんあります。ですから話すテーマに困ることはありません。どのようなことでもいいのです。以上で自己紹介セミナーを終わらさせていただきます。ありがとうございました」   つづく

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