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 こんなヤツと戦っても勝てるわけがない。剣も魔法も使えないし、腕力だってない。何かの技を習得していることもない。爆弾みたいなアイテムもない。勝てる要素はゼロだ。


 走って逃げようにも、足がこんなに疲労している状態ではおそらく逃げ切れないと思う。



 ――いや、たとえ万全の状態だったとしても、あのモンスターの機敏な動きを考えたら即座に追いつかれてしまうに違いない。


 ミューリエが戻ってくるまで時間を稼ごうにも、僕が持ちこたえられそうなのはせいぜい数分くらいのもの。それは現実的な選択じゃない。


 落ち着け、よく考えるんだ。きっと何かあるはずだ。




 …………。


 ……でも何も思い浮かばない。


 この絶体絶命の状況で僕に出来ることなんてあるのだろうか?



 →9へ

https://kakuyomu.jp/works/16816927862192814506/episodes/16816927862193631177

 

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