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 こんなヤツと戦っても勝てるわけがない。剣も魔法も使えないし、腕力だってない。何かの技を習得していることもない。爆弾みたいなアイテムもない。勝てる要素はゼロだ。


 走って逃げようにも、足がこんなに疲労している状態ではおそらく逃げ切れないと思う。



 ――いや、たとえ万全の状態だったとしても、あのモンスターの機敏な動きを考えたら即座に追いつかれてしまうに違いない。


 そうなると、ミューリエが戻ってくるまで時間を稼いで……。



 …………。



 いや、それも望みは薄い……。


 それまでに僕はきっと殺されてしまうだろう。満足に攻撃を避けることが出来ない上、耐えられるダメージなんて高が知れているんだから。


 時間稼ぎが出来たとしてもせいぜい数分くらいのもの。とてもじゃないけどミューリエが戻ってくるまで持ちこたえられるわけがない。



 →27へ

https://kakuyomu.jp/works/16816927862192814506/episodes/16816927862194216231

 

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