第17話 烏の行水・焼け石に水
えー、皆様異世界ニュースのお時間です。
温泉の名所のひとつとして知られる、某異世界、某国にある温泉街『
ここ『黒烏漆黒一温泉郷』は温泉郷を開設してから五年間は順調に客足がのびていましたが、その後経営がうまくいかず一時は閉鎖の危機に追い込まれました。その危機を救ったのが、修行のために各異世界の温泉地を渡り歩いてきた若き烏の『
『黒烏漆黒一』氏は、温泉郷に帰って来て自分の生まれ育った温泉郷が経営破綻の危機にあると知ると、直ぐに行動を開始、周囲の反対を押しきり、今までの古い温泉の外観を一掃、新しい今風の外装に変えたのです。
すると客足は徐々に延び始め、破綻寸前だった観光地は今では全異世界に名を連ねる有名な温泉郷へと変貌する事が出来たのです。
そして温泉郷の名前も『黒烏漆黒一』氏の功績を称え、『黒烏漆黒一温泉郷』へと生まれ変わりました。
今日から始まった『焼け石に水、お風呂沸かし体験』も『黒烏漆黒一』氏の発案で、朝から子供から高齢の方まで沢山の人が訪れ『焼け石に水、お風呂沸かし体験』を楽しまれていきました。
温泉郷を甦らせた英雄 『黒烏漆黒一』氏
「正直言いますと、今でも英雄と言われるのは少々不本意な部分があります。自分はただ、生まれ育った故郷を救いたいという一心で動いていただけなので。でも……もしあの時、自分も修行で異世界を見て回らなかったら、自分も故郷を救うことは出来なかったでしょう。それを思うと、親には感謝しかありません」
『焼け石に水、お風呂沸かし体験』は、今日から一ヶ月の間、無料で体験できるそうです。
異世界ニュースのお時間でした。
続いては、いぬみみ派とねこみみ派の大惨事けもみみ対戦に、うさみみ派が参戦したというニュースです……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます