心の果て、明日と明後日の予定

春嵐

　身体が動かなかった。

　ここで終わり。

　なんとなく思う。動けないけど、頭は、心は、少しずつ終わりに向かって整理されていく。

　たいした人生でもなかった。ただ生きて、そして、ここで終わる。

「あ」

　明日のデート。

　忘れてた。

　声は出るのか。

　キャンセルの連絡を。

「だめ」

　指が動かない。携帯端末。さわれない。

　心地よい感じ、というか、単純にけだるいような、ふわふわしているような。

　終わる。

　今日で。

　明日は来ない。

　思い残すほど、何かに執着しなかったから。

　こういうときに、何も、思いを馳せるものがない。

　終わり。

　これで。

　目を閉じた。

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