第5話

学年末テストが終わり、いよいよかていけに入る頃。私はまだ迷っていた。

告白しようかどうしようか。


「美穂、ここにきてまだ迷ってるの?」

「杏奈」

「もう、この間言ったじゃない。想いを伝えないといつか後悔するって」

「うん……。だけど、結翔くんには他に好きな人が……」


小さい声でボヤいてみた。


「え? なに?」

「え? ううん……。告白、するだけしてみようかな」

「する?」

「うん」

「そっか。全力で」

「杏奈、ありがとう」


持つべきものは友達、だな。


色々考えたけど、言わないと分からない。

思っているだけじゃ伝わらないから、頑張って言わないと。

他に好きな人がいるって分かってるけど、言うだけ言いたい。


公後悔はしたくないから。



家庭研修期間に入って2週間後のバレンタイン。

私はその日に、告白することにした。

部活の時間帯に、リンクに行けばきっと彼はいる。


そして、久しぶりのチョコを作ることにした私はスマホで色々調べて簡単に作れるバレンタインチョコの作り方をひたすら探した。


今の私、凄く可愛い。

好きな人のためにチョコを作ると決めた自分、凄く女の子らしくて可愛い。


楽しい。今の自分。

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