また、といふ香り
梅の香りに
俯いていた顔をあげた
太陽に照らされた雪のような
銀色の長い髪
手に灯された火は熱のないようで
赤い瞳が見下ろしていた
揺れる獣の尾を見たと思った
気づけば
里近くの寺に寝ていた
梅の香りに
「気まぐれよ、またの」
声が届いた
2020.06.09
(和風幻想譚
九尾狐です。銀色の髪、赤色の瞳を持ち、梅と雪の長羽織に和装をまとった、どころなく他人を寄せ付けない雰囲気を持つ妖です。とある人間を危機から助けたことがあります。)診断メーカーより
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