金木犀の残香

金木犀の香りが薄まっていく

ねぇもうなくなちゃったの


いつも手を握って歩いてくれた

貴方が隣にいないと

上手く歩けないの


オレンジ色の花を小さくて可愛いと

ねぇすぐに落ちてしまうの


泣いたらすぐに抱きしめてくれた

貴方が守ってくれないと

上手く息もできないの


覚束ない足取りで

思い出の場所に行っても

いないなら

私はどこに行けばいい


金木犀の木の下で

いつまでも

その香りを

私の体に残して



2019.10.6

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る