ボクノソナタ
○○○
序章 開幕(0話)
――深夜一時
――教授宅―――――――――>麻雀卓にて
トン!!
「ツモっ!
「なっ!」
「ちっ!」
「すごっ!これで
「うわぁ……えげつないな……。まぁたオマエの一人勝ちじゃん……」
「流石ですね!
「ありがとう
「やっぱ小南は何やっても勝つんだよなぁ。失敗とかしなさそうだよな」
「そうかなぁ………」
そんなことはない。
それは自分が一番理解していることだ。何をやっても勝てる訳じゃない。何をやっても失敗しない訳じゃない。
完璧な人間なんてこの世には存在し得ない。
私はあの日それを思い知らされたのだ。
調 逆 僕 次
査 光 孤 の
さ が 島 満
夜 れ 始 で 月
烏 た ま 再 の
P si る び 夜
お
長野から
見渡す限り朝霧に包まれ、前方の島影は黒い染みのように見える。他の全ては純白に染まっていた。
漁船のデッキでは無精髭をはやした中年男性が縁により掛かり紫煙をふかしていた。
徐々に姿を見せつつある前方の島影をウンザリしたような表情で見つめていた。
「――まったくぅ……世間じゃ楽しい楽しいゴールデンウィーク真っ盛りだっていうのに……なんでこの私がわざわざあんな島に出向かねばならんのだ?」
そう言って吐いたタバコの煙は、すぐに朝霧に混ざって見えなくなる。
「仕事でしょ」
私はあの日、教授の仕事で陽陰島に向かっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます