魔法少女ピュアミーティア・オンライン〜ロリコンがロリを求めて女児向けオンラインゲームをプレイしてみます〜
バハムート宮本
第一章 ロリコン、三人、初日
第1話 夢の始まり
20XX年、フルダイブ型のVRゲームは興隆を極めていた。神ゲーからクソゲーまで、様々なゲームが発売された。しかし、それらのゲームは俺の琴線に触れることはなかった。そして今、俺の目の前には新たにーム界の歴史を変えるであろう一本のソフトが置かれている。俺は、いや俺たちはこんなゲームが出るのを、ずっとずっと夢見ていたんだ。
このゲームの名は『魔法少女ピュアミーティア・オンライン』
何を隠そう、対象年齢12歳以下の女の子用のゲームである。
何でそんな少女向けのゲームを待ちわびていたんだって?そんなの理由は一つしかないだろ。
「そうだ、俺はこのゲームで、小さい女の子と合法に出会うんだ!」
俺は生粋のロリコンなのだ。
現物は手に入ったんだ、期待を膨らませるだけでいるの時間はもうおしまいだ。ロリ達が待っているならやることは決まっている、今すぐにプレイしなければ。
「来たな、第一関門…」
ソフトを起動して数秒後、俺の手はキャラクター作成の画面で止まってしまった。普段なら迷わず俺好みの片目隠れ赤面おかっぱ少女をクリエイトするとこだが…残念ながらロリ達はそんな子に対しあまり興味を持ってくれないだろう。ここはリーダー気質の活発なにしよう。とりあえずオレンジ髪のポニーテールにしてと…よしいい感じにできた。
次は名前を決めなければ。まあこれはいつも使ってるプレイヤーネームで良いか……否!否である!そんな偽りの名では無くちゃんと本名で呼ばれたい!幸いなことに俺の名前は中性的で違和感ない。昔はよくからかわれたりしたが、まさか今になって名付けた両親感謝するとはな。本名の秋茅七桜、カタカナで『ナナオ』で登録完了っと。
『最後にあなただけの合言葉を教えてね』
ん?なんだこれ?アカウントのパスワードのことか?いやそれは本体の方に紐づけされてるから違うはずだし、なんでこんなものを最初に設定しないといけないのか…ははーんわかったぞ、重要な場面でこの合言葉を唱えて盛り上がろうってやつだな。よし、俺たちロリコンに古来より伝わる合言葉、鉄の掟を教えてやろう。誰もが知るあの合言葉を。さあ皆さんご唱和ください!
「Yesロリータ!Yesタッチ!Yes!Yes!Yeeeeeeeeees!!!」
よっしゃあ!待ってろロリどもよ!
魔法少女ピュアミーティアオンライン、通称"ピュアミー"の舞台である星奈市に俺は降り立った。
…訂正、星奈市に私は降り立った。
「ロールプレイロールプレイっと」
折角女の子の姿になったんだ、内面も女の子らしくしていこう。
今の私はブレザーにスカート、靴はローファーといかにも女子中学生の制服といった格好だ。服装を確かめる流れで胸を覗こうとしたが、どうやらインナーが脱げない仕様になってるらしい。ついでに揉んでみたが………不思議なものだなあ、感触はいいのに自分のものだと思うと全く興奮しないんだな。
私が今いるのは閑静な住宅街の道路、辺りに他のプレイヤーが見当たらないってことはチュートリアル専用のエリアか何かなのだろう。
「茶番はここまでにして、急いでチュートリアルをクリアしないとな」
急ぐ理由は2つある。1つ目はピュアミーの初日の同時接続数が1万人近くいたことだ。まだこのゲームが発売されて二日目、ピュアミーをプレイするような小さい女の子は、発売初日からやり込んだりするはずがないだろうと高を括っていたが、とんだ見当違いだ。急がないと攻略最前線に立って他の女の子たちから頼られまくるという計画が水の泡になってしまう。
2つ目は言わなくてもわかるだろう、リビドーだよ。
「しかし、これはどこに行けばいいんだろうか?」
「困ってるようだね!ぼくが助けてあげよう!」
「うおっ!びっくりした!」
ポケットの中のスマホがやけに可愛らしい声でいきなり話しかけてきた。ツノとハネのアクセサリーが付けられてる小悪魔のようなデザインだ。マスコット的な立ち位置のキャラか?
「驚かせてごめんね!ぼくは魔「どこに向かえばいいんだ?」
恐らく使い魔かなんかであろうスマホの言葉を遮り食い気味で目的地を尋ねる。急いでるんで悪いな、お前の設定は勝手にこっちが考察しとくから。
「まずは学校に行かないと。ここから見えるあの大きな建「おっけ」
スマホのいう方向を向くとバカでかいガラス張りの建物が遠くに建っていた。本当に学校かあれ?大きすぎないか?プレイヤーを収容するとなるとアレぐらい必要なのか。
目的地が分かったし早速向かおう………てお前何うなだれてるんだよ、スマホが悲しそうな顔してるの初めて見たわ。
スマホと呼び続けるのも紛らわしいな…そうだ、お前のことはス魔マホと呼ぼう。
学校と言ってもまさか授業が有るわけでもないだろうし、恐らく集会所的な、RPGで言うところの最初の街みたいな場所なのだろう。
学校へ向かって駆け出そうとした俺の前に、いきなり黒い猫が現れた
「グルルルルゥゥ」
「初戦闘か、ちゃっちゃと終わらせちゃおう」
唸りを上げて立ち塞がる、女児への配慮なのかやけにデフォルメされたかわいい黒猫。頭上に名前欄には「ダークキャット」と表示されている。なんて安直な…。
対象年齢からして、戦闘はそんなに難しくないだろうし秒で片付けよう。
「おいス魔ホ、戦闘はどうすればいいんだ?確か私たちって、魔法使えるんだよな。いや、それよりまずは変身か!」
「気をつけてください。アレは"グリード"と呼ばれるモンスター、あなた達魔法少女の敵です。戦闘についてですが、グリードは、魔法かミーティア武器による攻撃でしか倒せません。」
「いきなり他人行儀になった!」
さっきまともに話を聞かなかったから拗ねたのか?まさかス魔ホ相手に好感度稼ぎをしなくてはならないのか?
そういやこのゲームのコンセプトは友達だって開発陣が言ってたな。てっきりあれは協力プレイのことを言ってるのかと思っていたけど、NPCとも仲良くやっていかないといけないのか?
「ス魔ホくん!質問なんだけど、ミーティア武器ってなにかな?」
「魔法はまだ憶えていないので、このグリードは武器で倒しましょう。」
無視された。好感度上がる気配無し。
「今回は、私の方で武器を用意しました。好きなのを選んでください。」
ウインドウが目の前に展開され、基本武器なのであろう数々が映し出される。効果を見てみると、どうやら扱う武器によって憶える魔法の種類が決まるらしい。
色々見てみると、剣や槍、銃、珍しいものだとリコーダーなんかもあった。…リコーダーでどうしろと?いや女子中学生っぽいけども…
メジャーな武器は大体あるが、以外にも盾が無かった。まあ、タンクをやりたがる女児なんていないだろうしな。
様々な武器があるが、ゲームが始まる前から俺が選ぶのは決まっている。
「ステッキが選択されました」
ステッキは回復・バフといったサポート武器だ。
選んだ理由は勿論、困ってる女児に颯爽と現れて回復を掛けてあげたいからだ。え?アタッカーの方がモテるんじゃないかって?馬鹿言え、何でモンスター見て戦わないといけないんだよヒーラーなら女児の尻ずっと見れるだろ。
「最後に、グリードと戦うには魔法少女に変身しなければなりません。変身するには、両手を胸の上に重ねて変身と唱えてください。変身を解除するときは、同様の手順で解除と唱えてください。」
よし来た、魔法少女の醍醐味と言えば変身だ。魔法少女モノの中には変身時に服が弾け飛ぶ作品もあるが、もしかしてピュアミーもその中の1つだったりしないだろうか。
「変身!」
叫ぶと同時に身体が光りに包まれ、着ていた制服がフリルの付いた真っ白な魔法少女の戦闘服へと変化していく。
脱衣変身バンクを期待していたけど、そこはしっかり全年齢対象ゲームらしい仕様だった、くそう。
こちらの体勢が整うと同時に、ダークキャットが襲いかかってきた。私はそれを左に半歩ずれて回避し、隙だらけの背中にステッキを叩き込む。流石は低年齢向けのゲーム、モンスターの攻撃モーションが丁寧で避けやすいし、隙も多い。ぶっちゃけるとヌルゲーだ。
この難易度ならそこまで急がなくてもトッププレイヤーになれそうだな。
「にやぁ~」
断末魔を上げながらポリゴンとなり消えていくダークキャット。
「撃破おめでとうございます。それでは私の案内はここで終了します。お疲れさまでした。素敵な魔法少女ライフをお送りください」
「カーナビみたいだな。てかお前の出番もう終わりかよ」
住宅街から広い道路に出て、一瞬辺りがラグる感覚に見舞われる。オンラインエリアに入ったってことなのだろう。
ここからは先に攻略を進めている女の子たちと出会うだろう。
そういった子たちとの接し方も勿論シミュレーション済みだ。
「名付けて"先輩風吹かさせ作戦"!」
得てして女の子というのはお姉さん振りたいもの!そのお姉さん心をくすぐるように、私が何もわからない初心者のフリをして(実際何にもわからない初心者だけど)女の子たちにパーティに入れてもらってエスコートしてもらおうという作戦だ!
フハハハハ、得意げに私をリードするロリータの姿が目に浮かぶわ。
あれこれ考えながら歩いていると、遠くの空に人影が2つ飛んでいるのが見える……ってあれもしかしてプレイヤーじゃないか!?
ダメ元で手を振ってみたらなんと振り返してくれた。しかも二人でこっちに向かってくる。赤いツインテールの娘と水色のショートカットの娘だ。
「やべぇどうしようどうしよう、まだ心の準備ができてねえ」
落ち着け俺落ち着け私、さっき考えた通りに後輩ロールプレイをすればいいんだ。
あと問題なのが声だ。こんなプリティJCフェイスから男の声が出たら驚かせてしまう。女の子っぽい声を出さなければ。
などと考えてるうちにもうそこまで二人が来ていた、意を決してこちらから声を掛けよう。
さあ、待ち望んだ女児とのファーストコンタクトだ。盛大に祝福しよう。
「こんにちはぁ〜、あのぉ、わたしこのゲームはじめたばっかで何もわからないんですぅ。よかったら色々教えてくれませんかぁ?」(精一杯の猫なで声)
「あら、新しい友達みたいね」(おっさん声)
「色々教えてあげる、一緒に遊ぼう!」(おっさん声)
男じゃねーか!こんなオチだろうと思ったよチクショウ!
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