「女体化」いうても

くっしー

第1話

4月15日(日)

唐突な日記、この日記を書くのは二週間前に出来事は遡る。


大学二年生の俺、広瀬明夫(ひろせあきお)は、飲み会に誘われ、二次会まで参加したのは記憶にある。そこからは覚えてないが赤坂樹(あかさかいつき)に寮のベッドで起こされた。


頭痛で頭が痛ぇ、欠伸をしつつ、洗面台にあるコップで口をゆすぐと、「か~っペッ」とうがいした。

ふと、何か違和感を感じた、だが、何かは分からなかった。


まさか、たぶん二週間くらい経ってからその違和感がなんなのかが、分かるなんて思いもしなかった。

何日間か前に、また俺を起こした樹が、目を丸くしていた。

「なに呆けてんだ?」

「あ、いや、鏡で観てこい、あ、いや、いい、自分の胸を見ろ」

視点を下にすると、谷間があって、足元が見にくい。

「あ?」

「明夫、お前って、女になってね?」

「あぁぁあ?!」

その時に、声も若干高くなっている、気がした。


「え、なんだこれなんだこれ」となっている中、とりあえず病院に行くことになった。

女性ホルモンが何かしらが原因で増えている、とか、であってほしい、そんな希望的観測を頭に抱えて、向かった。


医者は、一言で、「後天性性逆症」と言った。

「なんですか、それ?」

「原因不明の症状、基本的に治す方法なんてないよ、まあただ、希望論なら、君は他の後天性性逆症の人よりかは、症状の進行が断然遅い、という点だけだね」

「まじ、ですか…?」

「マジ、その辺も含めて、多少検査の必要がある、まあ、あとは、そういう原因不明で死ぬ可能性が低い症状向けの保険を探しといたほうが良い、いざというとき、何も出来なくなるよ」

「は、はい」

「あとはー…そうだね、大学側には、病院から説明とかするよ、君は…言い方が悪いが、頭が悪そうだから説明するにしても何かしら問題を起こすと見た」


このカーネルサンダースを日本人にした感じのおっさんに対して殺意を沸かせつつ、後々だいぶお世話になるが、名前は、「譜久村大二郎(ふくむらだいじろう)」という名前だ。


そして、今、俺の息子が、1/3のサイズになりました。

「ほんと、他より何故進行が遅いのか謎だな、生命の神秘に遭遇できるのは、尊敬に値するが」と先生。


先生曰く「1日でだいたい女体化するんだが、君は、1ヶ月以上経ちながら女体化している、女体化する過程を観察するのには適した題材になるだろうな、あと、その速度で女体化するなら、月経なども何日経つか、その辺も研究材料になりそうだ」と人の道をそれた発言。


ちなみに、今日、朝方、小学生ぶりにお漏らしして悲しい。

尿道が縮んだから、前よりもっとトイレに行きたくなるし、行かざるをえなくなるから気を付けてねとナースさんに言われた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る